会社法に関するQ&A

会社法に関するQ&A・会社法に関するQ&A・会社法に関する質問・疑問をクレア法律事務所の弁護士がオンライン上で回答しています。

Q ストックオプションプール制度について教えてください。

1 はじめに 2024年9月2日施行の改正産業競争力強化法に基づき、ストックオプションプール制度が創設されました。本制度は、主にスタートアップ企業を対象に、ストックオプションを機動的に発行することができる制度です。 2 本来のストックオプションの発行手続き ストックオプション(新株予約権)の発行においては、原則的に、株主総会の決議が必要です。株主総会では、新株予約権の内容(権利行使価額、行使期...

2024年度改正の税制適格ストックオプションの規律について教えてください。

1 はじめに 2024年度(令和6年度)税制改正により、税制適格ストックオプションに関する規律が変更されました。2024年度以降に発行する税制適格ストックオプションについては、よりインセンティブ目的として、活用しやすいものを発行できます。また、発行済みの税制適格ストックオプションについても、2024年12月末までに変更契約をすることによって、改正点を踏まえた条件に変更することもできます。本記事では...

所在が分からず、連絡がとれない株主がいます。このままでは将来的に弊害がありそうな...

1 はじめに 株主から住所やその変更が適切に届け出られておらず、住所が不明であり、連絡方法がないという場合があります。株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所にあてて発すれば足りるとされていますが(会社法126条)、このような住所不明の株主を放置すると、株主管理が非効率になります。 例えば、株主総会の招集通知等の株主に通知するべき書類はそのような株主に...

2023年4月・7月の通達による税制適格ストックオプションの権利行使価格の明確化

1 税制適格ストックオプション ストックオプション(新株予約権)は、会社の役職員等に対してインセンティブ報酬として付与します。すなわち、ストックオプションの付与を受けた役職員等は、あらかじめ決められた金額(行使価額)によって、その会社の株式を得ることができます。すると、会社の企業価値が高まれば高まるほど、役職員等は、より大きな利益(1株当たりの企業価値から行使価額を控除した部分)を得られること...

Q 株主総会招集通知を手紙ではなくメールで行いたいのですが、どうしたらよいでしょ...

総会の招集通知を電磁的方法で行うことについては、会社法および同施行令が後記の参照条文のように定めています。 このため、 貴社としては、株主の住所に書面で、或いは、届出られている電子メールアドレスなどに、今後は電子メール(或いは他の電子コミュニケーションツール等)で招集通知および法定の付属書類を送ることについて承諾を求め、株主の承諾があれば以後はメールやツールを介して通知することができます。 株主の...

従業員持株会について教えてください。

1 従業員持株会 従業員持株会とは、会社の従業員で組織する従業員持株会を通じて、従業員に会社の株主になってもらう制度です。従業員が、従業員持株会の会員になり、従業員持株会を通じて会社の株式を共同して購入します。 2 従業員持株会のメリット ①安定株主の形成 従業員が株主になるため、会社と利害関係が類似し、一般に友好的な関係が築きやすいといえます。 ②従業員に対する福利厚生 従業員が給与や賞与等か...

合同会社の形態で起業することを検討しています。株式会社と比較したメリット・デメリ...

1 合同会社とは 会社には、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4種類があります。合同会社は、株式会社に次いで数が多い会社形態です。法人を設立して起業する場合、主に株式会社や合同会社の形態により起業が検討されるところです。会社を設立する目的は様々なところですが、多くの場合、会社の保有者(出資者)が会社の債務に直接の個人責任を負わないことを目的の一つとして会社を設立します。(間接有限責任)事業を...

投資を受けるために投資契約の検討を進めています。株式譲渡に関する条項について教え...

1 はじめに 投資契約では、経営株主と投資家との間で様々な権利義務が定められます。このうち、株式譲渡が制限される規定がおかれることがあります。本記事では、株式譲渡に関する条項について説明します。 2 株式譲渡制限の目的 ベンチャー企業がVC等の投資家から投資を受ける場合、多くの場合、投資契約において、経営株主が会社の株式を第三者に譲渡することが制限されます。本来は、経営株主は、自由に第三者に株式...

取締役会をWeb会議システム等によって行う場合の注意点を教えてください。また、規...

従来、取締役会は、原則として本店に参加者が集合して行うものとされてきました。 しかし、グローバルなビジネスを展開している会社では、その取締役が本店が所在する国ではない国に所在し活動するようになったので、全員が物理的に顔を合わせるのは難しくなりました。 取締役会は会社の経営について討議し決定する会議体です。会議体が機能する状態というのは、参加者の発言や状況が「即時」かつ「双方向(インタラクティブ)」...

会社法が改正され、最近施行されたと聞きました。取締役の報酬規制のルールが変わった...

1 はじめに 令和元年12月4日に、会社法の一部を改正する法律(令和元年法律第70号)(以下、「改正会社法」といいます)が成立し、令和3年3月1日に施行されました。 この改正により、取締役の報酬等の決定方針の決定が一定の会社に義務付けられました。 本記事では、改正会社法のうち、取締役の報酬等の決定方針の部分について、その概要と対象となる会社に求められる対応について解説します。 2 改正会社...

投資契約において事前承諾条項が求められています。事前承諾条項の留意点を教えてくだ...

1 事前承諾条項 ベンチャー企業の投資契約では、経営株主が遵守するべき各種の条項が定められます。この中で最も論点になりやすい条項の一つとして事前承諾条項があげられます。 事前承諾条項とは、経営株主が会社の運営において一定の事項を行う場合に、投資家の事前の同意を必要とする条項です。投資契約とは別に株主間契約が交わされている場合には、事前承諾条項は、株主間契約で定められることも多いです。このような事前...

取締役や監査役は、その職務を行う上で、会社以外の第三者に対してどのような場合に損...

1 会社法上の第三者責任 取締役や監査役の役員等は、その職務を行うについて悪意又は重過失があるときは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負います(会社法429条1項)。役員等は、会社と委任に準じた関係にあり、契約関係のない第三者に対しては、民法の不法行為責任以外には責任を負わないはずです。 しかし、会社の事業活動は第三者に重要な影響を与えることがあります。そこで、会社法では、民法の...

D&O保険等の役員等のための保険契約に関する規律にはどのようなものがありますか。

1 はじめに 取締役等の役員が職務を執行に関し、会社や第三者に損害を与えると、会社や第三者から損害賠償責任を負う場合があります。このような責任を役員に負担させると役員が職務の執行を委縮したり、役員の人材を確保することが困難になったりするおそれがあります。 そこで、D&O保険(Directors and Officers)を付保することがあります。D&O保険は、役員が会社や第三者に対して負担する...

コンバーティブルエクイティ、J-KISSによる資金調達の方法について教えてくださ...

1 はじめに  スタートアップ企業の資金調達手法として、コンバーティブルエクイティが挙げられます。 コンバーティブルエクイティは、新株予約権を有償で発行して資金調達を行う方法です。 最近では、J-KISSというコンバーティブルエクイティに関する契約書が広く使用されておりますので、コンバーティブルエクイティの手法が広まってきました。 2 コンバーティブルエクイティの概要  コンバーティブ...

外部の協力者にストックオプションを付与したいのですが、税制適格にできますか。

1 はじめに 企業がキャッシュアウトを抑制しながら優秀な人材を集めるために、ストックオプションとして新株予約権を付与することは有力な方法です。ただし、税制適格ストックオプションとして付与しなければ、従業員側に十分なメリットを享受させることができません。税制適格ストックオプションの課税関係の概要は、Q&A「ストックオプションの課税関係」のとおりです。(https://www.clairlaw.j...

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