役員の責任追及 当社の取引先は、代表取締役の不正な取引により被った多大な損失が原因で、民事再生手続に入りました。再生債権者である当社は、この代表取締役に対して責任を追及することができるでしょうか。 民事再生法は、簡易迅速な決定手続きによる役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定手続きを認めています(法143条)。従って、貴社は、①管財人が選任されていない場合には、取引先の代表取締役に対する損害賠償請求権の査定を直接裁判所に申し立てること...
ECサイト 当社はウェブサイトを通じてアプリを提供しています。お客様からの利用申込みにあたって、あらかじめアプリ利用規約を作成してウェブサイトに掲載しておけば、そのとおりの契約が締結されると考えてよいのでしょうか。 ウェブサイト上でアプリの利用規約を掲載する場合には、適切な掲載を行い、利用者が利用規約に同意したといえるような方法をとらなければ、契約内容とならない場合があります。また消費者契約法の規定に違反しないかどうかもチェックする必要があります。
共益債権 取引先が民事再生手続を申し立てました。会社再建のために引き続き取引をして欲しいと言われていますが、民事再生手続中であっても、通常どおり支払いを受けることができるのでしょうか。 ①民事再生手続開始「後」に生じた、売掛金や貸付などの再生債務者への債権や、②民事再生の申立てから再生手続開始決定までの期間であっても、再生債務者の事業の継続に欠くことができない債務を負担する場合(但し、裁判所の許可が必要です。) ③再生債務...
執行役員 当社の執行役員が問題行動をしているため、任期途中に解任するか、再任しないことを考えています。このような取扱いをすることに法律上の問題はないでしょうか。 執行役員が労働者にあたると判断されると、厳格な要件をみたさなければ解任や不更新処分が無効となるおそれがあります(労働契約法17条1項、19条)。また、退職金が支給されるかも問題となるおそれがあります。 解説 執行役員(意義については別のQ&...
クラウド 当社は企業向けにクラウドサービスを提供しています。利用者が当社のサービスを利用して個人情報を保有・管理している場合、当社も「個人情報取扱事業者」として個人情報保護法が適用されるのでしょうか。 クラウド事業者が、個人情報の内容に関知せず、保管しているだけであるときは、「個人情報取扱事業者」にはあたらず、個人情報保護法の適用を受けません。 解説 個人情報保護法の適用を受ける「個人情報取扱業者」とは、「個人情報データベース等を事業の用...
情報管理 当社のライバル会社が、当社の製品を購入して分解してその仕組みを調べ上げ(リバースエンジニアリング)、同等の性能をもつ製品を開発してしまいました。このようなライバル会社の行為は違法でしょうか。また、秘密保護のための対策はありますか。 リバースエンジニアリングは違法行為ではありません。自社の技術を守るため、あらかじめ秘密保護対策を講じておくことが大切です。
執行役員 当社は執行役員制度を導入しようと考えていますが、執行役員規程を定める際に注意した方がよいことはありますか。 執行役員が労働者にあたり、執行役員規程が就業規則の一部と判断されると、届出義務・周知義務等が罰則付きで強制されることに注意してください。 解説 執行役員とは 「執行役員」とは、取締役会によって選任され、本来取締役の持つ業務執行権限を、担当領...
否認権 当社は、取引先が民事再生手続の申し立てをする直前に、同取引先が有していた売掛債権を譲り受けました。その後、監督委員から、当該売掛債権の譲り受けを否認するという手紙が届きました。当社としては、どうするべきでしょうか。 貴社が、その売掛債権を譲り受けた当時、手形不渡などの支払の停止があったことや、他の債権者を害することを知らなかったことを証明すれば、否認権を争うことができます。 解説 否認権は、債務者が「支払の停止等」(民事再生法127条1項2号)があった...
債権調査 当社は、民事再生手続に入った取引先の債権について届出を行いました。同手続では、当社が届け出た債権の内容等はどのように確定するのでしょうか。 民事再生手続においては、再生債務者(管財人が選任されている場合は、管財人)は、届出債権、及び、分かっている債権で届出されていないものについて、その内容と議決権の額を調査(債権調査)しなければならないものとされています(民事再生法101条)。...
個人再生 当社が売掛債権を有している個人が小規模個人再生手続に入りました。小規模個人再生手続は通常の民事再生手続とどのように異なるのでしょうか。 小規模個人再生は、民事再生の特側手続として、下記の要件を満たす場合に認められます。 まず、通常の民事再生手続の開始要件として、 債務者に破産の原因たる事実の生ずるおそれがあるか、又は債務者が個人事業者の場合には、当該事業の継続に著しい支障を...
債権届出書の作成、届出 当社が売掛債権を有する取引先が民事再生手続に入り、裁判所から債権届出書が送られてきましたが、うっかり届出期間を過ぎてしまいました。当社の債権はどう扱われるのでしょうか。 原則として免責されてしまいますが、自認債権として認めてもらえることもあります。また、追完できるケースもあります。 解説 再生債権者は、裁判所に再生債権の届出をすることによって再生手続に参加できるようになります(民事再生法94条)。 もしこの...