当社は、様々な新規事業に取り組んでおります。仕事を外注に出すこともあり、毎月、様々な契約書を作っています。これらのドラフトやレビューをすべて法律事務所に頼むとかなりコストがかかってしまいます。法律事務所に頼むべき契約書に優先順位をつけるとしたら、どのような基準で考えるとよいでしょうか。
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法律事務所に契約書のドラフトやレビューを頼むべき契約書は? という問題は、別の言い方をすると、どのような契約書は特に注意して作るべきか? ということになります。
日本法では、基本的に口頭合意で契約が成立するので、契約書の作成によって、契約を発効させるというよりは、契約当事者の役割分担と権利義務関係を明確にして、それを書面化によって固定し、後日の紛争を防ぐ趣旨で作成します。
このため、契約書作成にあたってまず重要なことは、契約を結ぶ相手方と貴社がそれぞれどのような役割を分担し、成果物などの権利の帰属、期間、費用などについて、共通の理解を持てているか(十分コミュニケーションが取れているか)です。営業が、受注獲得のためにリップサービスをし、開発、納品する部署は基本的な仕様を基準に役務提供することによって紛争になることもあります。契約書の条文の文言云々はその後にくる問題です。
管理部門としては、顧客、或いは業務委託先(貴社が顧客となる場合)と、契約内容についてしっかり共通の理解ができているかを確認し、そのうえで、その共通の理解を正確に(一義的にわかるように)契約書化するべきです。
特に、金額の大きい契約、新しい内容の取引については、相手方の債務不履行や法令への抵触など潜在的なリスクがありますので、これらについては十分注意を図るべきです。
弁護士の契約書レビューは、契約書の内容に不十分な点、不公平な点があることによって、会社が損害を被ることを回避する趣旨で行いますので、リスクを感じるような取引、新しい取引で内容に自信が持てないもの、最近法令の改正があった分野などについては、弁護士に内容確認を求められるとよいと思います。
なお、当事務所では、契約は基本的に公平な内容とするべきだと考えています。これは長年の企業法務実務の経験からの結論です。
クライアントが一方的に有利になるような契約書を作っても、それ自体がトラブルの原因になったり、かえって因業な業者という風評が立ってクライアントのブランドを棄損したり、そのような不利益な内容に(うっかり?)合意してしまった相手方が別の形で失った利益を回収しようとするものです。
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