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人間はなぜ宇宙人に会わないのか? 人類は滅亡する?

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エンリコ・フェルミ(1938年ノーベル物理学賞)は、宇宙の歴史は古いし、地球と似た星は沢山あるから宇宙人はいくらでもいるはずだ。どうして我々は宇宙人に会わないのだろう? と考えた(フェルミのパラドックス)。
地球は45億年前に誕生し、生命は37億年前に出現した。
宇宙はそれよりずっと前に誕生しており(現在では、138億年前と考えられている。)、銀河系にある太陽に似た恒星の約半数が、地球に似た条件(水がある)の惑星を持っている。その数は3億個とも考えられている。
地球に落ちる隕石には有機物が含まれていることがあり、地球だけに突然有機物が生まれたとはいえない。
どこかの惑星で生命が誕生し、進化したはずだと考える方が自然だ。

先日、NHKを見ていたら、元京都大学の先生が、「人間が宇宙人に会わないのは、宇宙に出かけていく程科学が進歩すると、その文明は絶滅するからです。」と話していた。
つまり、宇宙時間でみると、過去に多くの宇宙人が進化したが、科学が急激に発展したタイミングで絶滅してしまう。
だから、ある宇宙人の科学が急激に発展したタイミングが、他の宇宙人がそうなるタイミングと「たまたま」一致しないと宇宙人同士が遭遇することはない。
これは「グレート・フィルター(Great Filter)」と呼ばれる割と知られた考え方のようだ。

もともとホモサピエンスの先祖は、遅くとも20万年前から8万年前まで東アフリカあたりでこじんまりと生活していた(人口10~30万人)。
今、西暦2026年、明治維新は約160年前だから、この間の12万年がいかに長いことか。
8万年前ころから、ホモサピエンスのうちの一部の人々は東アフリカを出て、地球のあちこちに散らばっていき、1.5万年前には全ての大陸にたどり着いた。
「多動脳」(A・ハンセン・スウェーデン・精神科医・新潮新書)によると、旅立った人は脳の報酬系ホルモン(ドーパミン)の受容を鈍くする遺伝子を持った人だったという。
ドーパミンの受容が鈍いと、「あれもこれも面白くなくなる(同著)」。そこで、刺激を求めて、落ち着かず、飽きっぽく、様々なことに手を出す。
アフリカの人の一般的なドーパミン受容体の遺伝子はDRD4だが、アフリカを出発した人が最後にたどり着いたと思われる南米では、報酬系の受容が鈍いDRD4-7R遺伝子を持つ人の割合が50~70%にのぼるという。
自分もそっち系だと思う人もいるはずだ(中国人・日本人のDRD4-7Rは数%)。

このような人々は、何か新しいもの面白いものを探しまわり、研究に没頭し、新たな挑戦を行って人類の進歩に貢献してきた。
半面、脳への刺激欲しさに禁止されていることを行い、周囲や社会を危険に巻き込んだり、薬物を濫用したりする。戦争もその一つかもしれない。

米国が1954年にビキニ環礁で行った水爆実験の威力は予想をはるかに超える約15メガトン、広島型の1,000倍だった。
このとき、湯川秀樹(1949年ノーベル物理学賞)は、「原子力の猛獣はもはや飼主の手でも完全に制御できない狂暴性を発揮しはじめた」と述べた。
その後、そんなに威力があっても仕方ない(コスパが悪い)ということで、現在世界には、現在世界には約12,000発の核弾頭が存在し、そのうち約4,000発(広島型の10~30倍程度の威力)が実戦配備されているといわれる。
このうち、米ロの戦略核の多く(≒4,000発)が使われる全面核戦争が起きると、爆発とそれに続く核の冬による飢餓によって人類の大半はいなくなり、残りもまともな生活は送れなくなってしまう。

汎用人工知能(AGI)や超知能(ASI)が、人間の価値観や生存と一致しない目的を自律的に最適化し、実行するリスクも現実味を帯びてきた。
AIを使った生物兵器の開発なども益々加速する。遺伝子組み換え微生物や人工ウイルスが生態系に流出し、既存の生物圏を圧倒することはありそうなシナリオだ。

宇宙に出かけられる程科学が進歩するころには、その文明は自らを絶滅させることができる程度のパワーを持つ。
そのような科学の発展は、新しい刺激を求める危なっかしい脳たちによって支えられてきた。
人類は、冒険好きの脳のおかげで便利になったが、多くの冒険者が冒険の途中で倒れるように、冒険好きの脳はそのうち人類自身を自滅させるという訳だ。

AIの能力向上が速すぎて人間の理解・制御が追いつかないから、安全性を確保するために開発にブレーキをかけようとする動きがある。
しかし、他国がブレーキをかけないのに、こっちだけブレーキを踏んだら負けてしまうので、なかなかそうはならない。
科学は進歩し続けるが、人間のモラルは同じようなレベルをぐるぐると回っている。

そしてそのうち絶滅するから、宇宙人と会うことはない?

この記事の著者

古田 利雄

主にベンチャー企業支援を中心に活動しています。 上場ベンチャー企業、ネットイヤーグループ、Canbas、Modalis等の役員もしています。

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