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書評2025年 今年私の思考を刺激した本

2025年ももうすぐ暮れてしまいます。
今年もいくつか本を読んだので覚えているものを紹介します。オーディブルを使って車で移動中に聞いた本も結構あります。
内容は、概ね記憶に頼っているので、不正確、解釈違いもあると思います。
不安定で生きづらい世の中になってきていますが、多少なりとも生きる参考になれば幸いです。
よいお正月をお過ごしください。


・ 思想・哲学

超訳 歎異抄(安永雄彦) 
弟子の唯円が親鸞(浄土真宗)の教えが歪められるのを憂いて書いたもの。有名な「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」とは、唯円が親鸞に「極楽浄土は素晴らしいところだとわかっているつもりですが今すぐ行きたくないです(今すぐ死にたくない)」と打ち明けたら親鸞が“Me too”と答えたとか、親鸞に「私の言うことをなんでも聞くなら、今から1,000人殺してこい」と言われたが、その後親鸞が「唯円お前がそれをできないのはお前に人を殺す縁がないからだ。」と諭した話など、慈悲の思想や縁起を解説。司馬遼太郎さんが無人島に一冊だけ持っていくならこの本とおっしゃったという本。

「(新訳)弓と禅」(オイゲン・ヘリゲル)
日本の弓術を通して、西洋的な「自我による制御」を超えた禅の境地を描く。的を狙うのではなく、自己を無にし、作為を捨てた瞬間に「それ」が射る。技術が精神性と一体化し、主客未分の境地に至るプロセスを、ドイツ人哲学者の視点から記録したものの現代文の解説。スティーブ・ジョブスの座右の書として有名。日本文化べた褒めに感じるが、今の日本人にはこの当時(1925年・大正14年)の日本人の精神性を持っている人はあまりないなーと思う。
私は、2023年2月に永平寺に参拝し座布(座禅用の丸い座布団)を買ってきてから、毎日座禅しているので、弓道がやってみたくなった。
座禅に対して、修行、苦行と受け止める人が多いと思う。しかし、座禅はヨガのようなもので、セロトニン、オキシトシンなどの脳内幸福ホルモンが出て気持ちがいい。気持ちいいからこそ、毎日2億人くらいの人が座禅しているともいえる。
音楽などのエンタメによるドーパミンの分泌は外部刺激によるものなので新たな外部刺激を必要とする。このため文化産業は退屈に苦しむ人々にエンタメを消費させ続けるように仕向けることができる(國分功一郎・暇と退屈の倫理学)。無音の状態で十分な幸福感を味わえるようになると外部刺激に頼る必要がなくなってくる。そうすると、人々は本来すべきことにより集中できるようになると思う。
セーリングやゴルフで毎年タイに行くが、マリファナが合法化されてからマリファナの店が凄い勢いで増えている。人間はこのような外部刺激に弱いらしい。そして外部刺激産業はますます力をつけて人々を囲い込んでいく。外部刺激を求めてふらついていている時間が長ければ長いほど、その人は自分を生きる時間は減っていくのに。


訂正可能性の哲学(東浩紀) 
「一貫性」に縛られるのではなく、過去を遡って解釈を書き換える「訂正」の力こそが、硬直化した社会や民主主義を救うと説く。ウィトゲンシュタインの「家族的類似」などを援用し、変化し続ける公共性や、誤りを認めつつ対話を繋ぐための新たな哲学的基盤を提示する。分断の時代だから訴求力がある。

あぶない法哲学(住吉雅美) 
青学法学部の先生 死刑制度などタブー視されがちなテーマを通じて、当たり前の正義を揺さぶり、法哲学的な考え方へ導く。硬くなったアタマをほぐすのにもよし、法律初学者が読むのによし。


・ 歴史・人類・文明論
ブルシット・ジョブ(デヴィッド・グレーバー)
現代社会には、従事している本人ですら生産性や付加価値がないことを自認している「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」が増えていることを指摘。しかも、地道に役務提供している人は低賃金で、無意味な管理職が高給を食んでいる矛盾も多数の具体例を示して説明してくれる。正しい仕事が報われる社会にするために皆で共有すべき労働観は何かを考えさせる。読んでいくとやや気が滅入る(企業法務弁護士の悪口が随所に出てくるTT、私自身は実質的な価値提供を常に自問自答しているつもり)。

NEXUS 情報の人類史(ユヴァル・ノア・ハラリ) 
石器時代からAI時代に至るまでの「情報」の役割を考察し、情報は集団の秩序を作る「虚構」であると説く点は、すべてが虚構であるという仏教的思想や、人は自分の作った意味の世界に住んでいるというA・アドラー的である。印刷機の開発という人類史上画期的な発明によって、「魔女に与える鉄槌」というマニュアルが印刷され、急速に普及したことによって、中世の惨い魔女狩りが行われた例や、FBのユーザーエンゲージメント重視のアルゴリズムが、ヘイト動画(人々はこの手の惨い情報を見たがる)を流し、ロヒンギャ難民への暴力が煽られた例、AIは判断過程がブラックボックスなのに裁判にAIが利用され始めているケースなどを挙げる。「AIは核弾頭と違って自分でボタンを押す。」とも述べる。

トッド人類史入門(エマニュエル・トッド) 
家族構造(直系、核、共同体など)が、その地域の政治意識やイデオロギー(共産主義、自由主義など)に及ぼす大きな影響と、人口学と人類学の手法を用いて、世界の歴史的な動きを分析する仏・国立人口統計学研究所出身の先生。1976年にソ連の乳児死亡率の上昇を踏まえてソ連の崩壊(1991年)の予測し的中! 2007年に「アラブの春(2011年)」を予測し的中! ウクライナ戦争開戦当時、ロシアが経済制裁によって負けるという欧米マスコミの見方に対し、米国などの西洋諸国が金融やサービスに偏っているのに対し、ロシアはエネルギー、食料、人口あたりのエンジニア数が多い点に着目してロシアが持ちこたえると予測し的中!という現代の預言者。


我々はどこから来て、今どこにいるのか(エマニュエル・トッド) 
家族システムの進化が言語や文明にどう影響したかを辿り、今後は、米国主導の一極集中から多極化した混沌へ移行すると予測する。特に、識字率向上と少子化を終えたロシア、中国、グローバルサウスが台頭する一方、西洋は実体経済の喪失により影響力を失い、現時点で既に少数派である西洋の自由や民主主義の普遍主義の押し付けは終わり、各国が自国の家族構造に根ざした独自の論理で動く、不安定で伝統回帰的な世界が訪れると予言する。


・ 政治・社会・国際情勢

世界の取扱説明書(ジャック・アタリ) 
フランスの経済学者、思想家、そして「知の巨人」と称される未来予測の権威。ミッテラン元大統領の特別補佐官を務め、欧州復興開発銀行の初代総裁も歴任。
現代文明が直面する5つの脅威、気候変動、戦争のリスク、パンデミック、不平等の拡大、そしてテクノロジーによる人間性の喪失を放置すれば、人類は自滅的な「破局」に向かう。国家や市場に依存せず、学び続け、利他的であること、そして自分の時間を守ることの大切さを説く。

政治家の収支(鮫島浩) 
元朝日新聞記者の視点から、政治資金収支報告書の裏側に隠された「政治とカネ」の生々しい実態を暴く。資金の集め方と使い道が、いかに政策や権力構造を歪めているかを分析。不透明な会計処理や利権のネットワークを可視化すべきと説く。自民党の法律顧問をしていたことがあるので、政治家は自分の贅沢の為にではなく、権力の獲得(票集め・ブランド向上)のために金を使うという説明は共感できる。

政権変容論(橋下徹) 
単なる政権交代ではなく、統治機構の改革を伴う「政権変容」の必要性を説く。統治機構の再考も必要だと思うが、まず「単なる政権交代」でも、それまで政権に絡みついていた腐敗や利権を刷新できる可能性がある点で価値があると思う。

22世紀の民主主義(成田悠輔) 
余命が異なる19歳と85歳(つまりあと60年以上日本という外部環境に左右される日本人とあと数年程度の日本人)が選挙では1票ずつというのはおかしくないか?、政治家が投票率の高い老人に忖度する政治では将来性のある制度設計などできませんよと、現在の民主主義の不合理性を指摘する。政治家に期待できないので、民意を人々の行動データなどをAIが自動集約し、意思決定に反映させる未来像を提示する。

反米の選択(大西広) 
米国の覇権主義がもたらす弊害を指摘し、対米従属からの脱却を主張する。多極化する世界情勢の中で、日本が独自の東アジア外交を展開し、中国や近隣諸国との協調を重視すべきであると説く。
(以下私見ですが)日米集団安全保障を前提とした平和憲法維持と非核三原則論者 VS 中立的・自主防衛と最低限の戦術核保有論者 の争いは、「暴力を振るうのは悪いことだから許されない。戦争放棄の国是という理想を世界にアピールするのが日本の役割」という立憲主義的理想主義と、台湾有事などがあれば非核保有国である日本は深刻な打撃を受けることになるというリアリズムの争いだと思う。
この両者は、それぞれ相手は頭がおかしい(ありえない! VS ばか!)と思っているので、中庸な道を探ることは難しい。
この論点の問題は、例えば台湾有事が起こって自衛隊が参戦し、日本の自衛官の犠牲がある程度出た段階では、(昔と同じように)世論は中国許すまじ一色になってしまうだろうということである。
因みに、習近平が2020年10月の中央委員会、2022年10年の党大会で健軍100周年の2027年までに中国軍の近代化を設定したことを踏まえて、米国のバーンズCIA長官は、「習近平は2027年までに台湾侵攻を成功させる準備を整えるように命じたという情報がある。」と述べている(2023年2月にジョージタウン大学)。

日本を守る強く豊かに(高市早苗) 
自民党総裁選出馬前(2021年9月)に経済安全保障の強化、サイバー攻撃への備え、先端技術の保護など、日本の主権と財産を守るための政策提言本。
私は、誰が首相になっても1年くらいは暖かく見守る(ハネムーンイヤー)べきだと思っている。
「成長のための赤字国債」について、自民党内の財政再建派、財務省からしぶとい抵抗を受けるだろうが、金が作れないとその他の政策も実行できないのではないか。

西洋の敗北(エマニュエル・トッド) 
ウクライナ戦争を背景に、欧米社会の脱工業化、家族構造の変容、信仰の喪失による精神的空洞化を分析。
ロシアの強靭性と対照的に、価値観の不一致で自壊する西洋諸国の衰退と、既存の国際秩序の終焉を人口統計学的データから予見する。

世界秩序が変わるとき(レイ・ダリオ/斉藤ジン訳) 
過去500年の大国(蘭、英、米、中)の興亡をデータで分析し、債務、内部紛争、外部の挑戦というサイクルを解明。
現在の米国が衰退期にあり、中国が台頭する歴史的転換点にいると警告する。
斉藤ジンさんは最近露出が増えてきた。
彼によれば、日本の高度経済成長は、米国がソ連と対抗するために日本を豊かにすべきだったから、1991年にソ連が崩壊した後は思いのほか成長し過ぎた日本を冷遇(失われた30年)した。中国が台頭してきたので、米国はまたまた日本の景気を上げるように仕向けるそうである。


それでもなぜ、トランプは支持されるのか(会田弘継) 
リベラルなエリート層に切り捨てられた米中西部の労働者階級の怒りと絶望を克明に描く。アイデンティティ政治の弊害と、伝統的な「アメリカの価値観」への回帰を求める声が、なぜトランプという特異な指導者を生んだのかを考察。
この論点については、前にブログ https://clairlaw.jp/blog/2025/09/post-9.html で書いた。

2025年トランプ劇場2.0!世界は大激変(宮崎正弘) 
トランプの再登板によるウクライナ支援の打ち切り、対中関税の強化、日本への防衛負担増など、アメリカ・ファーストがもたらす既存秩序の崩壊と新秩序への移行を論じている。
筆者によれば、米国は世界最大の半導体ファンドリーであるTSMCとその半導体供給網を中国に渡したくない。しかし、中国と戦争はできないというジレンマにあるという。
米国のウクライナ支援打ち切りについては、単にEUを切り捨てるだけという見方と、中国の台湾侵攻に注力するため(J・ミアシャイマー・シカゴ大国際政治名誉教授)があるようだ。
J・ミアシャイマー教授は、最近参政党などの保守に呼ばれて来日公演などをしている人だが、ロシアのウクライナ侵攻を予言した実力派だ。
台湾有事についての悲観的なシナリオは、米国が自国の覇権を維持するために、台湾と日本を含む周辺同盟国を(ウクライナとロシアのように)中国を消耗させ、米国兵器と情報を売り捌くために利用する。沖縄には、中国国籍者が約3,000人住民登録しており、毎月3~5万人の中国人が観光その他で訪れているから、中国は、持論である琉球地位未定論と中国人保護を理由にして沖縄を占領する。米国は、米中直接戦争は世界大戦になると言って参加せず、地域紛争を長引かせるか、その前に中国が、嘉手納、横須賀、佐世保に戦術核を打ち込んで日本が降伏する。
米国は、ウクライナと同じように仲介者としての立ち位置をとり、日本に沖縄は中国の領土であること、中国への賠償を求め、日本政府はこれに応じない選択肢がない(更なる戦術核使用を受けないために)。
このシナリオは、ばかげた妄想の類ではない。日本としては、国防についてぶれない国家戦略を立てる必要がある。

ザイム真理教(森永卓郎) 
財務省が掲げる「財政再建」を一種の宗教的盲信(ザイム真理教)と批判。
過度な緊縮財政と増税が日本経済を停滞させている元凶であるとし、カルト的なドグマから脱却して、積極財政により国民の生活と経済成長を優先すべきだと訴える。
確かに、国債を日本人と日本企業が引き受けているのであれば、社長と社員が自分たちの会社に金を貸し付け、会社が払った利息をもらっているようなものだと昔から考えていた。
そうであるならば、会社が借金を返せなくなっても(デフォルト)、社長と社員の債権を無くせば精算は完了する。
しかし、2024年末時点では、海外投資家が11.9%(147兆円)の日本国債を有してる。
2025年度(令和7年度)の日本の一般会計予算案は、歳入・歳出の総額は約116兆円前後(補正予算等を除いた当初予算ベース)だから、147兆円は結構デカい!!
また、金融資産で潤っているのは主に高齢者層・富裕層なので、所得格差を再生産する問題を孕んでいると思う。

自民党崩壊(乾正人) 
産経新聞論説委員の視点から、派閥の解消や裏金問題で揺れる自民党の内部腐敗と統治能力の欠如を突くもの。

国家はなぜ衰退するのか(アセモグル、ロビンソン)
繁栄の鍵は地理や気候ではなく「政治・経済制度」にあると主張。成功する国家は「包括的制度」により広く機会とインセンティブを与え、衰退する国家は「収奪的制度」で一部の特権階級が富を独占する。つまり、国家は、統治機構が腐敗していると経済制度も不合理なものとなり、成長することができないと述べる。
この論点については、前にブログ https://clairlaw.jp/blog/2025/10/2-1.html で書いた。

老人支配国家 日本の危機(エマニュエル・トッド) 
少子高齢化が進み、高齢者の意向が政治を動かす「シルバー民主主義」が続けば、日本は外からの攻撃ではなく、内側からの人口崩壊によって、国家としての機能を失い「消滅」に向かう。米国はもはや日本を守るために自国を危険にさらすことはないと断言し、「過去の成功体験(高度成長期の幻想)と、米国への依存を捨て、人口問題という真の敵に全資源を投入せよと説く。

新しい階級社会(橋本健二) 
日本がもはや「一億総中流」ではなく、資本家、新中間、労働者、そして最下層の「アンダークラス」に分裂したと分析。格差が固定化し、自己責任論では解決できない構造的問題を指摘。新たな階級間の対立を直視し、再分配の再構築を唱える。
アンダークラスは、結婚・出産の機会がなく、年を取ってブラックホールに吸い込まれるように消えていく、そして、アンダークラスでなかった家庭の子供たちの一部がアンダークラスになっていくという社会は怖い。
私も、再分配は、日本の第一の課題である合計特殊出生率を2.2を超えるところまでもっていけるくらいドラスティックにするべきだと思う。


沈む祖国を救うには(内田樹) 
グローバル市場への過度な適応が日本の地域社会を壊した、日本の民度が低下したという論調の本。効率至上主義から離れ相互扶助社会の再建を説く。
個人的な好みでいうと、この本の論調というか書きぶりをもっと硬派なものにしてほしかった気がします。


・ AI・テクノロジー・仕事術
生成AIで世界はこう変わる(今井翔太) 
ChatGPTをはじめとする生成AIの仕組みと衝撃を解説。AIは単なる道具ではなく、人間の知性や創造性を拡張・代替する存在になると説く。産業構造の激変から教育、倫理のあり方まで、AI共生時代の社会デザインを展望するもの。

AI分析でわかった トップ5%社員の読書術(越川慎司) 
AIを活用した行動分析により、成果を出す社員の共通点を解明。年間50冊本を読む人とは、仕事が出来るのでとても忙しいが、視野を広げメンタルを整えるために読書を優先順位の上に設定しているので読書量をこなせるというもの。
「本を読むのは好きだし、読みたい本はあるけど、忙しくて時間がない。」と言いつつ、最近本読んでないなーとぼやく残りの大多数には耳が痛い本。


大事なことだけ覚える技術(伊藤真) 
司法試験のカリスマ講師が、情報過多の時代に必須の「絞り込む力」を説く。全てを網羅しようとせず、核となる本質(ゴール)を特定し、そこから逆算して必要な情報を抽出する。記憶の負担を減らし、成果を最大化するための思考法と実践術。
次女が大学受験なので、最近の記憶法を確認してみた。伊藤先生には40年くらい前に教えてもらったことがあり、そのころのメソッド+アルファな内容だった。


禅脳思考(辻秀一) 
スポーツドクターの知見と禅の思想を融合させ、心のコンディションを整える技術を説く。「結果」や「他人の目」に囚われる「認知脳」から、今この瞬間の心の状態(Being)に注目する「ライフスキル脳」への転換を進める。ポジティブシンキング法は自分を偽っていることを自分が気づくのでやめた方がいいとも説く。
「コップに水が半分入っています。半分も入っていると思う人と半分しかないと思う人がいる。」という話がある。禅の思想からすると、「半分も」の人も「半分しか」の人も、いずれも妄想の世界の住人とみる。禅的にみると、80オンスのコップに半分の水が入っています、多いとか少ないとか考えるのは余分です、となる。
ゴルフでバンカーにボールが入ったら、バンカーにボールがある、ライの状態だけ認識する。「あーあ、」とも「リカバリー頑張る」とも思わず、そのライに合わせた打ち方のセオリーを思い出し、そのように打つ。←言うのは簡単、できれば誰も苦労はしない (^^)/


・ 経済・産業・ルポ
金持ち農家、貧乏農家(高津佐和宏) 
農業を「産業」として捉え、収益を上げる経営者と衰退する農家の差を分析。補助金頼みから脱却し、マーケティングやコスト管理を徹底する「稼げる農業」への転換を提言。日本の農業が持つ潜在力を引き出し、自立した強い産業にするための戦略書。筆者は農協出身なので農協捺しが強い。

図解でわかる菌ちゃん農法 (吉田俊道)
生ゴミをリサイクルした元気な土」で育つキャベツには、全く虫が寄り付かないことに気づき、「虫は不健康な(腐敗した)植物を処理するために来るのであり、菌の力で健康に育った野菜は虫が食べられない(抗酸化力が高い)」と主張する本。雑草や木くず、落ち葉を畝(うね)に仕込み、糸状菌のネットワークを張り巡らせることで、空気中の窒素を植物の栄養に変える仕組みを図解しているが、実際に施行するのはなかなか難しいように思われた(雑草や落ち葉は集めて捨てちゃうか焼却するほうがはるかに簡単なので)。

ルポ人が減る社会で起こること(工藤哲) 
人口減少が加速する地方や現場の悲鳴を丁寧に取材。インフラの維持不能、労働力不足によるサービスの崩壊、コミュニティの消滅など、抽象的な数字ではなく、現実に起きている「日常の崩壊」を浮き彫りにし、縮小社会の残酷な真実を突きつける。

この記事の著者

古田 利雄

主にベンチャー企業支援を中心に活動しています。 上場ベンチャー企業、ネットイヤーグループ、Canbas、Modalis等の役員もしています。

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