海外のクラウドサービスは、いわゆる「e文書法」の文書保存義務に対応していますか。
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文書の保存先が海外のクラウドサービスであっても、「e文書法」の文書保存義務との関係では、この義務を果たしたものと考えられます。
「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」(いわゆる「e文書法」)では、他の法令の規定により書面により保存しなければならないと規定されているものについて、主務省令で定めるところにより、書面の保存に代えて当該書面に係る電磁的記録の保存を行うことができることとされています(3条)。 つまり、e文書法の適用があると書面による文書保存義務が免除されます。
e文書法の立法趣旨は、電磁的方法による情報処理の促進を図るとともに、書面の保存等に係る負担の軽減等を通じて国民の利便性の向上を図りることを目的としています。
とすれば、速やかにディスプレイ画面への表示や書面への印刷ができる一般的なクラウドサービスを利用しているかぎり、それが、海外のクラウドサービスにデータを保存する場合であっても、「e文書法」に基づく「電磁的記録の保存」と認められるべきです。 また、「e文書法」には、海外のクラウドサービスの利用を禁止する規定はありません。
従って、文書の保存先が海外のクラウドサービスであっても、「e文書法」の文書保存義務は果たされているというべきです。 (但し、法令上、文書での保管を要求されるケースもあり得ます。)
なお、国税関係帳簿書類を海外サーバーに電子的保存する場合について、国税局が保存義務の履行を認める要件については、次のサイトの49頁が参考になります。
国税庁「電子帳簿保存法Q&A」
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