定款に必ず記載しなければならない事項は、以下の6つです。
(1)商号
(2)事業の目的
(3)本店の所在地
(4)設立時の出資金の額
(5)発行可能株式総数
(6)発起人の氏名・住所
ただし、通常は、この他の事項についても定款に記載します。
会社書式「定款(株式会社・取締役会非設置)」をご利用ください。
解説
定款とは?
定款は、会社の組織や意思決定のルールを定め書面にしたものです。定款の作成は、発起人の重要な任務の1つです。
定款は会社の根本規則を定めるものなので、その内容は正確・明確でなければなりません。そのため定款を完成させるためには公証役場で公証人によるチェック(認証)を受ける必要があります。公証人の認証には、5万円の認証手数料がかかります。加えて、完成した定款には印紙税4万円がかかりますが、電子定款として作成した場合にはこれが不要になります。
会社設立時に作成する定款を特に「原始定款」といいます。公証人による認証を受けなければならないのは、原始定款を作成する場合のみです。会社設立後、商号変更などをする場合には定款変更の手続を行う必要がありますが、その場合に改めて公証人による認証を受ける必要はありません。
必ず記載しなければならない5つの事項
(1)商号
|
商号を定める条項です。多くの場合、商号は、定款の第1条に定められています。
(2)事業の目的
|
事業の目的を定める条項です。会社の事業目的は、営利的であり、明確かつ具体的でなければならないとされていますが、それほど厳格に審査されるものではありません。
ただし、許認可を受けて行う事業の場合には、その事業を目的としていなければ許認可を受けられない場合があるので注意が必要です。
(3)本店の所在地
|
本店所在地を定める条項です。これは、最小行政区画の記載で足ります。つまり「東京都千代田区」や「神奈川県横浜市」といった記載で構いません。
ちなみに、株式会社設立登記申請の際に提出する登記申請書には、本店所在場所(丁目・番地まで含む正確な住所)を記載しなければなりません。
(4)設立時の出資金の額
|
設立の際に、発起人から出資される出資額の合計を記載します。設立時の出資額が確定していない場合には、「(設立に際して出資する財産の最低額)第〇条 当会社の設立に際して出資する財産の最低額は〇円とする。」として、最低額を記載します。
これは会社設立時にのみ関係ある事項なので、定款の「附則」の章に記載します。
(5)発行可能株式総数
|
会社が発行できる株式の総数を定める条項です。会社が発行可能株式数を超えて株式を発行するためには、定款変更が必要となります。
(6)発起人の氏名・住所
|
発起人の氏名・住所を記載する条項です。通常は、これに加えて発起人が引き受ける株式数と、それに対応する払込み金銭の額を記載します。
発起人の氏名と住所は、発起人の印鑑証明書に記載されている氏名・住所の表記と完全に一致する必要があります。丁目や番地やマンション名を「 ‐(ハイフン)」で省略することはできません。
これも、定款の「附則」の章に記載します。