当事務所の古田弁護士はファウンダーインスティテュート東京のディレクターをしています。 ファウンダーインスティテュートでは、スタートアップに役立つ様々なブログを掲載しています。 今回は、「スタートアップにとって最も一般的な10のレベニュー（収入）モデル」について紹介します。
あなたの製品、サービス、アプリがどんなに素晴らしくてもターゲット顧客を手に入れなければ意味がありません。あなたの製品をマーケットに売り出すためには、アプリなどをWeb上で売るにせよ、ハードウエアを販売するにせよ、顧客を魅了するために必要となる数え切れないほどの要素があります。
あなたの会社が最も良いレベニューモデルを採用することを助けるために、スタートアップの一般的なレベニューモデルの種類についてメリット・デメリットを考えながら説明します。
ビジネスモデル、レベニューモデル、レベニューストリーム
異なったタイプのレベニューモデルを検討する前に、これらの違いを考えてみましょう。これらはしばしば混同して使われています。
レベニューストリームとは、会社それぞれの収入の源です。会社はそのサイズに応じてゼロからたくさんの種類のレベニューストリームを持っています。
レベニューモデルは会社のレベニューストリームとそれぞれのレベニューストリームのために要求されるリソースを管理する戦略です。
ビジネスモデルとはレベニューモデル、レベニューストリーム、そしてどのようにすべての仕事が行われるかの説明を含む会社の構造の説明です。
レベニューモデルのタイプ
1. Ad（広告）ベースモデル
あなたがWebベースの会社であれば、Google Adsenseは、広告を獲得する最も一般的なツールです。アドセンスは、1,000ページビューあたり、5〜10ドルを売り上げます。Ad（広告）ベースモデルで十分な売り上げを得るには、数百万人のユーザーが必要です。
2. アフィリエイト収入モデル
Ad（広告）ベースモデルよりも売り上げを稼ぎ易いですが、会社の製品、業種、マーケットがどの程度の大きさを持つかを検討する必要があります。
3. トランザクション収入モデル
eBayやAmazonのようなトランザクション収入モデルは、単純で多くの商品を扱えるので顧客を誘引しやすい一方、競合他社との競争が始まると価格競争に陥り、利益を確保することが難しくなります。
4. 利用料モデル
利用料モデルは、月単位や年単位で長期間にわたって顧客に利用料を請求することができます。顧客が解約を怠ることによって、実際には顧客が役務提供を受けていない期間の売り上げがもたらされることもあります。このモデルでは、解約率をいかに低く抑えるかがポイントになります。
5. ウェブセールス
ウェブセールスでは、なんでも売ることができますが、コンサルティングや価格の高い不動産などの販売については、他により良い売り方がないか検討すべきです。
6. ダイレクトセールス
ダイレクトセールスには、電話セールスや、訪問販売などがあります。
ダイレクトセールスには、メーカー、バイヤー、インフルエンサーとのセールスサイクルの構築がポイントになります。このモデルでは、しばしばセールスチームを雇う必要に迫られます。そのコストを抑えようとすると規模を大きくすることはできません。
7. チャンネルセールス
チャンネルセールスは、エージェントやリセラーによって成り立つモデルで、特にあなたがバーチャルな製品やサービスを販売するならば、アフィリエイトモデルと親和性の高いものです。想定しているマーケットであなた自身がエバンジェリスト（伝道者）にならなくてはならない場合や、エージェントやリセラーがあなたのビジネスと競合する場合には用いるべきではありません。
8. リテールセールス（小売り）
百貨店のような小売り業は、在庫、店舗など先行投資を必要としますが、そのことによって顧客からの信頼を得やすいメリットがありますが、資金のないスタートアップやソフトウエアなどの販売には向いていません。
9. 製品無料配布、使用料モデル
このモデルは最初の顧客を集めやすく、口コミによる拡散も期待できます。しかし、事業規模を拡大させていく途中で、資金ショートしてしまう恐れがありますので、常に、キャッシュフローを意識しなければなりません。
10. フリーミアムモデル
フリーミアムモデルは多くのクラウドサービスの会社が採用しているもので、基本的なサービスは無料にしておき、付加サービスに課金するものです。基本機能が無料であることから、顧客に製品やサービスを試してもらい易いですが、開発のための初期投資が必要であり、どのようにして無料ユーザーを有料ユーザーにしていくかがポイントになります。
最後に
いったんレベニューモデルを決めたら、簡単に変更することはできません。レベニューモデルは十分なリサーチと熟慮の上で決定するべきです。
参考
The 10 Most Popular Startup Revenue Models
https://fi.co/posts/24031
