今回も、グローバルに展開するスタートアップ・アクセラレータFounder Instituteが紹介する記事の中から、起業家の方またはこれから起業家を目指す方におすすめの情報を紹介します。
Founder Institute(FI)は2009年にシリコンバレーで立ち上げられた、起業家のスタートアップ立ち上げを支援するグローバルなアクセラレータです。古田弁護士がディレクターを務めるFI東京チャプターは、今年8月に2015春セメスターの卒業式が行われました。その詳細については、古田弁護士のブログをご覧ください。
今回の紹介テーマ
ファウンダーインスティテュートの共同ブログに投稿された 共同創業者間における適切な取り決めの仕方 を紹介します。
輝かしいビジネスアイディア、明確なバリュープロポジション、完璧な共同創業者が見つかったらあなたのアイデアを事業化するべきでしょうか?
ちょっと待った!
あなたが誰かとビジネスを始めるなら創業者間での重要な事項についてのすり合わせは必ず必要です。最初はみんなで楽しくやっていても、事業が成長するに従って共同創業者間の思いの違いが明らかになってくるからです。まず大切な事は、ビジョンを共有することです。Co-Founder Lab のDavid Ehrenberg (CEO of Early Growth Financial Services) さんは、最低以下のことは確認すべきだと言います。
1. 何があなた達のゴールでしょうか?
- なぜあなたはこの事業をするのでしょう?
- 必要な条件はなんでしょう?
- どのような製品やサービスを提供するのでしょう?
- 会社を成長させる戦略はなんですか?
2. あなたの会社の価値と哲学はなんですか?
あなたの会社の成功はビジョンが統一されているかどうかにかかっています。あなたはあなた自身、投資家、従業員、お客様等のステークホルダーと価値を共有していますか? あなたとあなたの将来の会社にとって最も重要な事は同じであると言えますか?
3. どうやって成功を測りますか?
ゴールに到達したかどうかの指標がなければ、共同創業者間でそれが達成されたかどうかを確認し合うことはできません。 (この問題を話し合う事は楽しくありません。でもこの点について意見の一致を見れば、共同創業者の関係は非常に強固なものであることが立証されたようなものです。)
4. ワーキングスタイルと文化
どのようなワーキングスタイルや文化があなたの会社のビジョンにふさわしいかを決めるましょう。 Jessica Alter (Founder and CEO of FounderDating) さんは、"34 Questions to Ask a Potential Co-Founder"というブログで、あなたの共同創業者に次のような質問をすることを勧めています。
- あなたが作りたい会社のカルチャーを示す言葉を3つあげましょう。例えばオープン、ハードワーキング、1セントリックなどです
- 従業員にどのような価値を与えたいですか?
- 会社について2点変えるとすればどこですか?
- 将来従業員にどのぐらい株式を分配しますか?
- 最初の5人の従業員はどのような人ですか?
- 理想的なワーキングスタイルについて書き記してみましょう。
このリストに答えることによって、あなたが働くべき人とどうやって働くべきかを理解することができます。そしてそれがわかったらハッカソンにいきましょう。
5. 役割分担の決め方
前項までが決まったら、あなたの会社における共同創業者のそれぞれの役割を決めましょう。
CEO
会社のボスであり全ての責任を負います。会社の戦略、雇用チーム作り、リソースの割り振りについて最終的な決断をします。
COO
日々の業務を執行し、それが予定通りに進捗しているかどうかを管理します。
CFO
予算の作成と資本政策の実行、お金の管理を行います。会社にとって設備を買った方がいいのか借りたほうがいいのかを検討し、管理システムの選定などを行います。
President
役割はしばしば曖昧でスタートアップでは不要な場合が多いです。
CMO
販売戦略を管理し、その実行監視します。
CTO
会社が活動するドメインの技術動向を把握し、会社の戦略に反映します。
適材適所、その人の強みを活かすことが大事です。もし自分自身に強みや適性がないと思ったらあなた自身がその地位を辞退するべきです。
6. 法的な整理
相手企業を始める多くの創業者は法律的な実務経験がほとんどありません。少なくとも以下のような項目に注意しましょう。
- 機密保持契約
- 著作権
- ビークルの法的形式
- 特許
- サービスの名称
- 課税特例
- 商標
- 営業秘密
7. 株式の配分
株式の配分は以下のような要素を検討して決めましょう。
そのビジネスの基本的なコンセプトのを出したのは誰か。 特許を出したり、デモを作ったり、プロトタイプを作ったり、ファイナンシングに貢献したりしたらそれも評価します。 フルタイムでビジネスの進捗に貢献しているかどうか。 事業に対して責任を負う立場にあるCEOは、多くのシェアを持つべきです。 成功経験のあるアントレプレナーでネットワークなどによって会社への貢献があるかどうか。
創業者契約書の雛形は、当事務所のウェブサイトからダウンロードできます。
参考How to Create the Perfect Cofounder Agreement with Your Business Partner