今回も、グローバルに展開するスタートアップ・アクセラレータFounder Instituteが紹介する記事の中から、起業家の方またはこれから起業家を目指す方におすすめの情報を紹介します。
Founder Institute(FI)は2009年にシリコンバレーで立ち上げられた、起業家のスタートアップ立ち上げを支援するグローバルなアクセラレータです。古田弁護士がディレクターを務めるFI東京チャプターは、今年8月に2015春セメスターの卒業式が行われました。その詳細については、 古田弁護士のブログをご覧ください。
今回の紹介テーマ
- スタートアップ起業家のためのネットワーキング9つの戦略スタートアップ起業家にとって欠かすことのできないネットワーキング。しかし起業したばかりの方にとっては、どのようにネットワークを築いていけばよいのか分からないと思います。そこで今回は、FIシアトルのディレクターであるMaria Dykstra氏が提唱する、スタートアップ起業家のためのネットワーキング9つの戦略を紹介します。
- 起業家として生産性を高めるための5つの秘訣起業家の手もとには、やるべきタスクが山ほどあります。しかし、これらのタスクをこなすには、1日24時間では足りないと感じている起業家は多いでしょう。では、同じ条件下で多くのタスクをこなす成功者は、どのようにタスクをこなしているのでしょうか?今回は、自らも起業家であるMaria Dykstra氏が考える、起業家として生産性を高めるための5つの秘訣を紹介します。
- 利用しやすい助成金・補助金情報これから創業する人を中心に、利用しやすい助成金・補助金情報を紹介します。
1. スタートアップ起業家のためのネットワーキング9つの戦略
木村 |
ネットワークとコネクションは、事業を推進拡大したいスタートアップ起業家にとって、信じられないくらい重要なものです。しかし起業家の中には、どのようにネットワークを築いていけばよいのか分からないという方もいらっしゃると思います。そこで今回は、Tredigital社の共同創業者で、FIシアトルのディレクターでもあるMaria Dykstra氏が提唱する、スタートアップ起業家のためのネットワーキング9つの戦略を紹介します。
(1) 戦略をたてる
ネットワーキングイベントに顔を出すだけではネットワークは作れません。目標を決め、ネットワークを作る意味を理解し、意味のあるつながりを作る計画を考え、ブランドを確立することが必要なのです。
(2) 外に出る
ネットワーキングが好きな人はごく僅かで、残りの多くの人々にとってネットワーキングは決して楽しいものではないでしょう。しかし、もしネットワークを作りたいと思うのであれば、いくつもイベントに参加し、初対面の人と会うことを楽しめるようになる必要があります。
(3) 量より質
ネットワークで大事なのは、LinkedInのメンバー数よりも、つながりの質です。イベントで出会った人のことをより深く知り、より強い関係を築けるように努力しましょう。
(4) 頼られつつ、頼りつつ
ネットワーキングの世界の人々は、すぐに他人に頼みごとをするタイプと、何も他人に頼みごとをしないタイプに分かれます。この2タイプをうまく使い分けましょう。他人からの頼みごとを聞いてあげつつ、時々は他人に頼みごとをしてみる。すると驚くような結果をもたらしてくれるときがあります。
(5) リーダーになる
リーダーを目指しましょう。NPOの役員に就任する、経営者グループのリーダーになるなど、社会に大きな影響を与える方法はいくらでもあります。もし理想的なリーダー像が存在しなければ、自らがそれになればよいのです。
(6) パートナーシップを築く
あなたの業界で影響力をもっているのは誰でしょうか?その人と話ができる関係にありますか?メンターやトレンドメイカーと知り合い、一流の人々から学びましょう。大切なのは、メンター達のネットワーキングをサポートしながら、彼らのネットワーキング手法を真似ることです。
(7) 忍耐強く
初対面の人があなたに一目惚れするなんてことはほとんどありません。デートと同じで、お互いのことを知るには時間が必要なのです。繰り返しつながることが必要です(ただししつこいのは嫌われます)。何度も連絡を取って、あなた独自のドリップマーケティングを見つけましょう。
(8) ソーシャルメディアを活用する
ソーシャルメディアは「守りのネットワーキング」と考えましょう。Twitter、LinkedInなどのオンライングループは、イベント終了後もコミュニケーションを取り続けるのにとても有効です。Twitterを使えば誰とでもつながることができますし、LinkedInは情報を発信してリーダーシップを発揮することができる素晴らしいプラットフォームです。
(9) チアリーダーをみつける
起業家にはメンターがついています。メンター達は鋭い洞察力をもち、ビジネス上の重要課題を提起してくれます。しかしそれでも、あなたが事業を続けるのを精神的に支えてくれる人が必要になるでしょう。スタートアップ起業家を待ち受けるのは、ジェットコースターのような毎日です。すべて投げ出したくなる日も来ると思います。そんな苦境を乗り越えるために、あなたにとってのチアリーダーを見つけておきましょう。
Dykstra氏は、「ネットワークは一夜にして完成しない、時間と手間のかかるもの」と述べています。明日からでも実践できるネットワーキング戦略を、ぜひ参考にしてみてください
〈参考〉 9 Tips for Startup Founders to Build A Stronger Network http://fi.co/posts/19071
2. 起業家として生産性を高めるための5つの秘訣
柳田 |
Dykstra氏は、起業家として成功した人の共通点として、決して時間がないと言い訳をしないことを挙げています。彼(女)らは、1つのタスクに無駄な時間を使わず、何事にも優先順位をつけています。
優先順位の高いタスクをピンポイントに絞ってこなしていくことが、最も短時間で最高の結果をもたらすコツです。以下に成功者の5つの秘訣を伝授します。
(1) 反復可能なルーティンをつくる
緊急の事態に対処することは簡単です。このような場当たり的な対応は、しばしば重要なタスクを軽視してしまうことになります。重要なタスクに集中する時間を確保するため、 反復可能なルーティンを確立することが有用です。
例えばDykstra氏は、毎日、午前6時に優先順位の高いタスクを検討する時間、午後9時に自習時間を設けています。時々うっかり、朝寝坊したり、夜に外出したりすることもあります。しかし、カレンダーにこれらの時間を組み込んでおくことで、うっかりしたとしても、すぐいつものルーティンに戻すことができるのです。
(2) ルーティンをカスタマイズする
試したプロセスが全てうまくいくとは限りません。そのためDykstra氏は、自分のアプローチがうまくいっているかを確認する時間を絶えず設けており、もしうまくいっていない場合は、アプローチの仕方を修正します。
このことの目的は、ルーティンを習慣に変えることです。ルーティンによっては、習慣づけることが難しいものもあり、自分にとってうまくいかないこともあるでしょう。例えば、あなたにとっては、毎日自習時間を設けることが非生産的かもしれず、あるいは、自習時間を朝にした方がより生産的かもしれません。
自分にとって最も効率的な時間の使い方を理解することは、最優先事項の1つというべきものです。
(3) 単純なタスクを自動化する
自動化の新技術を用いて、効率性をより高めることは可能です。例えば、Dykstra氏は、メモを集約する時間を節約することに苦戦していましたが、喋ったことをテキスト化する製品に出会い、この問題を解決しました。
また、自動化の技術によってタスクを効率化すると、ルーティンに組み込みやすくなります。
(4) 重要でないタスクを後回しにする
私達は、心配事であるタスクに、こなしても大した影響はないとわかりつつも、多くの時間を使ってしまっています。
メンタルコーチであるLisa Nichol氏曰く、「No」と言えることは重要です。「No」と言うことで、文字通りあなたの生活を変えるかもしれず、また多くの精神的ストレスから解放されると説きます。 自分の時間を作り出すために、重要でないタスクに「No」と言うことは有用です。
(5) アイデアをすぐアウトプットする
一晩中、頭の中に渦巻くアイデアを思い巡らせたことはありますか?
Dykstra氏は、閃いたアイデアについて、頭の中で思い巡らす代わりに、Evernoteを使ってすぐ書き出します。そしてEvernoteを保有するデバイス全てと同期し、1ステップでアイデアをアウトプットすることができるようにしています。
タスク管理は面倒で後回しにしてしまいがちですが、以上のような簡単な心掛けで、大きな効果を発揮します。成功者にならって、実践してみてはいかがでしょうか
〈参考〉 5 Secrets to Become a More Productive Entrepreneur http://fi.co/posts/19991
3. 利用しやすい助成金・補助金情報
これから創業する人を中心に、利用しやすい助成金・補助金情報を紹介します。
(1) 創業時に使える助成金・補助金
名称 | 補助・助成の額・率 | 要件 | 募集期間 |
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創業補助金 (中小企業基盤整備機構) |
最高200万円(費用の2/3まで) |
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H28.3~ (見込み) |
第2創業補助金 (中小企業基盤整備機構) |
最高200万円 (費用の2/3まで) |
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H28.3~ (見込み) |
(2) 特定事業の開始時に使える補助金・助成金
名称 | 補助・助成の額・率 | 要件 | 募集期間 |
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地域商業自立促進事業 (中小企業庁) |
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H27.10.13~H27.12.18 (経済産業局に17時必着) |
新製品・新技術 開発助成事業 (東京都) |
1,500万円 1/2以内 | 実用化の見込みのある新製品・新技術の自社開発を行う都内中小企業者等に対し、その研究開発経費の一部を助成 | H28.5中旬 |
研究開発型ベンチャー支援事業 (国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構) | 1件当たり原則3,000万円程度 | 研究開発型ベンチャーとして新事業に挑戦する起業家候補及びその設立した研究開発型ベンチャーの活動を支援すべく、将来のメガベンチャーを創出することが目的 | H27.11中旬~予定 |
ものづくり企業グループ高度化支援事業 (東京都) | 5,000万円 1/2以内 | 成長分野への参入や海外展開を目指し、開発・生産・販路開拓を行い、基盤技術の高度化に共同で取り組む経費の一部を助成 | (前回)H27.5.25~27 |
地域資源活用 イノベーション創出助成事業 (東京都) |
800万円 1/2以内 | 東京の魅力向上や課題解決に向け、中小企業者等が取り組む試作品・新サービス開発・販路開拓・市場化に要する経費の一部を助成するほか、「地域応援ナビゲータ」による継続的支援を実施 | H27.11.9~13 |
海外展開技術 支援助成事業 (東京都) |
500万円 (下限50万円) 1/2以内 | 自社の製品等を海外市場で販売するために必要な海外規格への適合やISO等の認証取得に要する、経費の一部を助成 | (前回)H27.5.11~15 |
市場開拓助成事業 (東京都) | 300万円 1/2以内 | 東京都内に主たる事務所を持つ中小企業者等で公社が指定した事業において採択され、開発・製品化した新製品・サービス等の販路開拓を助成 | (前回)H27.2.19,20,23 |
製品開発着手 支援助成事業 (東京都) |
100万円 (下限10万円) 1/2以内 | 開発の初期段階のアイデアや構想の技術検証に必要となる原材料の調達、他企業・大学・試験研究機関等への機能試験評価等に要する経費の一部を助成 | (前回)H27.5.1~29 |
(3) アルバイト・パート、有期契約社員を正社員にする場合に使える助成金
※要件に該当したらいつでも
名称 | 助成の額 | 要件 | |||||
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キャリアアップ助成金(厚生労働省) | 有期⇒正規雇用 50万円/1名 無期⇒正規雇用 30万円/1名 |
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有期⇒無期雇用 20万円/1名 |
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正規雇用にするための教育訓練時
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〈参考〉
補助金・助成金 (ミラサポHP) https://www.mirasapo.jp/subsidy/
助成金事業 (公益財団法人東京都中小企業振興公社HP) http://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/