1 起業家になるためのファーストステップ
起業家を目指すのであれば、今の仕事をやめる前に、自分の目指すゴールを評価し、スタートアップのアイデアを実世界で広範囲にテストすべきであり、これらを行わないのは無謀です。
今回は、テキサス州ダラスの弁護士であるJoe Garzaが、起業の準備ができていると考える方に対して、5つのステップを案内していますので、紹介します。
2 アイデアは他人とシェアした方が良い3つの理由
自分のビジネスアイデアを他人とシェアすることを、起業家はためらいがちです。アイデアが盗まれてしまうおそれがあるなどの理由からです。しかし、アイデアを他人とシェアすることにはそれに勝るメリットがあります。FIニューヨークのディレクターであるKevin Siskarが解説する「アイデアは他人とシェアした方が良い3つの理由」を紹介します。
1 起業家になるためのファーストステップ
ステップ1:自分のためのキャリアか?
起業家精神の追求は、単にキャリアを選択することではなく、ライフスタイルを選択することでもあります。そのため、以下のような十分な理由をもってこれを行うようにしてください。もしあなたが単にお金や力を獲得するためだけに起業しようとしているのであれば、恐らく成功しないでしょう。
- 重要な課題の解決についての情熱を持っている。
- 課題の解決方法について独自の市場の知識を持っている。
- 世界を変えたいと思っている。
以下のことを自らに問いかけてみてください。キャリアゴールを遂行するために、今のライフスタイルを変える準備があるかどうか、今が決断のときです。
- なぜ起業家になりたいのか?
- どのように成功を定義するか?
- どのように自分の人生が変わり、他の人々の人生にインパクトを与えるか?
- 失敗に対処することはできるか?
- 時間をかける準備はあるか?
ステップ2:自分の才能を正確に示す
あなたの強さと情熱は、ビジネスの基礎として役立たせるべきです。それらがないと、起業家の旅を生き残れないでしょう。
以下のことを検討し、あなたの技術と能力の輪郭を描くことに時間をかけることは、どの産業でスタートアップすべきか決めるのに役立つでしょう。
- どの技術があなたの専門性の拡大に寄与したか?
- 成功のための技術をどのようにテコ入れできるか?
- どのようにあなたの弱点を改善できるか?
自分の得意なことをリスト化する際、マネージャーと同僚に対し、あなたの何を称賛し、それをどのようにビジネスに変換することができるか、セカンドオピニオンを得てください。
また、一度得意なことをリスト化したら、以下のように、あなたが興味を持ち、興奮することを検査して下さい。
- あなたが仕事と感じず、決して飽きないことは何か?
- もしあなたが世界で何でもできるとしたら、何をするか?
- 5年後、10年後、20年後、自分自身が何をしているか見えるか?
- あなたに動機・力を与えるのは何か?
起業家の特性で好ましいものとして、以下のようなものがあります。
実務経験
例えば生産管理の経験を持った人は、成功する会社を運営するため、よりよい準備をもたらすといえます。
柔軟な知性
動的な起業家の世界に素早く適合することができます。
高い開放性
新たな経験・アイデアにオープンでいることは、より創造的な解決策を作り上げることができるといえます。
適度な快適さ
親切さと厳しさのバランスを持つことは、会社の必要性について妥協せず、他の者とうまくやっていけることを意味します。
ステップ3:プロジェクトを開始する
大きなアイデアは生まれるものではなく、生み出すものです。
使い捨て可能な「プロジェクト」を開始して、いくつかのバリエーションを書き出してみてください。会社設立の形成段階に、出来る限り多くの、インスピレーションを引き出すアイデアを持っていることは重要です。あなたの創造性を限定しないようにしてください。
そのプロジェクトを変更するかもしれないので、はまりすぎないでください。その代わりに、継続すべきプロジェクトを見つけるまで、自分のアイデアを捨てる理由を探してみてください。
自分のアイデアは、以下の問いに答えられるようにすべきです。
- あなたの情熱は、他者の人生にインパクトを与えるか?
- あなたの技術は、広範なまたは共通した問題に解決策を提示することができるか?
- あなたの情熱で他者に影響を与えることができるか?
- 人々はあなたのアイデアに興味を持つだろうか?
また、最高のスタートアップのアイデアは以下の特性を持つことを覚えておいてください。
- 単純性 ...1人の顧客のために、1つの課題を解決する。
- 明瞭な収入 ...1つの、単純な収入源で始められる。
- 大きな市場 ...少なくとも1000万人規模の市場を目標にする。
潜在的なスタートアップのアイデアを一通り組み立てられたときが、アイデアの実行可能性を検査するタイミングです。もしアイデアに対するあなたの関心が澱んでいるときは、そのプロジェクトはあなたにとって良くないかもしれません。他方、もしあなたが考え・話すことを止められないようなアイデアに遭遇したら、勝てるビジネスアイデアを発見したのかもしれません。
ステップ4:リサーチとフィードバック
一度固まったアイデアを確立したら、そのアイデアが実現可能であることを確かめるために、以下のように知識を拡げてください。
- 最良の起業家の本や業界誌を参照する。
- あなたのスタートアップの用語の拡張・更新や、開始価格、資金提供するオプション、法的義務などのリサーチをする。
- 同様のプロジェクトに取り組んでいる人々とのネットワークイベントに出席し、メンターかビジネス・アドバイザーに接触する。
- あなたの商機がどこに位置するか考え、あなたの競争者が誰か決める。
- 同業他社がなぜ失敗したかをリサーチし、それらが何を誤り、あなたはどのようにより良くできるかを明らかにする。
- 現在・過去の雇用者との協定を破っていないことを確認し、商標・特許を侵害していないことを確認する。
誰もあなたの考えを盗むつもりではありません。そこでこの段階であなたができる最良のことは、自分のアイデアを繰り返し評価し、かつ改善する助けとなるように、できるだけ多くの人々から多くのフィードバックを得ることです。
これは最も重要なステップですので、この段階で数か月かそれ以上の期間をかける準備をしてください。
基本的なリサーチのプランは以下のとおりです。
- 市場と競争相手を分析します。
- トレンドはあなたのアイデアに親和的か?
- あなたは合意・商標・特許を破っていないか?
- シンプルかつワンセンテンスのピッチを作って、誠実な友達や同僚からフィードバックを得てください。
- 同業で失敗した会社を探し、そのファウンダーと電話で話してみて、市場とあなたのアイデアのフィードバックを集めてください。
- 多くのスタートアップ、起業家、ビジネスに関連するイベントに参加し、ピッチが明確・簡潔かつ人々を惹きつけるものになるまで、繰り返してください。
- あなたの製品について実際の潜在顧客を見つけてコーヒーに誘い、以下を確かめましょう。
- あなたのアイデアはその人達に直ちに理解できるものか?
- あなたのアイデアはその人達の重大な課題を解決するものか、それともただの1つの選択肢にすぎないか。
- その人達はあなたのアイデアにお金を支払うか?
ステップ5:準備は良いか?
以上の起業家のアイデアと顧客開拓についての基本的なプロセスを経て、それぞれのプロセスを楽しめましたか?それはあなたにとって価値ある経験でしたか?自分のアイデアに未だに興味を持っていますか?
NOである場合、すなわち、そのプロセスが好きでなかったか、とても難しすぎると分かったのであれば、起業家となることが自分の人生のこのポイントで正しいのかどうか、熟慮してみてください。
YESである場合は、引き続き、起業家と同僚からのコンスタントなフィードバックを繰り返してください。アドバイザーを探し始め、製品を作り始めましょう。あなたは正しいです!
以上の5ステップの実践が、起業家としての成功の1歩となることを願っています(柳田)。
〈参考〉
Are You Ready to Become an Entrepreneur? Take Your First Step Here.
http://fi.co/posts/11631
2 アイデアは他人とシェアした方が良い3つの理由
(1)準備不足でも、アイデアをシェアすべし
よいフィードバックをくれそうな人には、どんどんアイデアを話すべきです。まだ十分に準備ができていないアイデアであっても、話していくことによってビジョンが明確になります。潜在顧客からは有益なフィードバックが得られるかもしれません。
Siskarいわく、「あなたが投資家に対してアイデアピッチをするつもりなのであれば、その前に練習してみてはどうでしょう。売れないアイデアにこだわって時間を無駄にしてしまわないためにも、できるだけ多くの人々とアイデアをシェアしていち早くフィードバックをもらいましょう。」
(2)アイデアは簡潔に、方法は詳しく話すべし
現在、世界には70億人もの人々がいます。あなたが今チャンスだと思って考えているアイデアは、決してあなただけが考えつくユニークなものではないでしょう。そこで大切なのは、あなたのアイデアのどこが他のものと違うか、いかにより多くの利益を顧客にもたらすかです。例えば、世の中には多くの乗り物があります。すべて交通輸送手段として機能しますが、それぞれ異なる顧客層に対して多様な利益をもたらしています。
Siskarいわく、「あなたの中にスタートアップのアイデアがある場合、他の起業家もまさにそのアイデアに目をつけています。けれど諦めないでください。アイデアそのものにフォーカスするのではなく、そのアイデアをどのように実行するのかという点にフォーカスすべきなのです。」
(3)失うものよりも得るものを大切にすべし
起業家たちがアイデアを話したがらない主な理由の一つは、他人にアイデアを盗まれてしまうのを危惧しているからだと思います。しかしアイデアを話したからといって必ずしも盗まれてしまうわけではないと思いますし、逆に自分のアイデアに興味をもってサポートしてくれる人が見つかることもあります。
また、あるビジネスアイデアの中で問題が生じたとき、それを支えるのはアイデアへの情熱です。アイデアは盗まれたとしても、その人に情熱がなければビジネスは成功しません。
Siskarいわく、「アイデアを盗まれてしまう機会はわずかです。それより、アイデアを他人とシェアすることで、自社が注目され、手助けを得やすくなる機会の方が多いでしょう。」
起業家は、他人に対して自分のビジネスアイデアを話すのをためらいがちです。起業家からすれば、まだアイデアを発表するには時期尚早だと思っているのかもしれませんし、あるいは他人にアイデアを盗まれてしまうと思っているのかもしれません。しかしアイデアは、自分の中だけで練っていても、十分に洗練されたものにはなりません。かつてビルゲイツが述べたように、あらゆるイノベーションのためには、アイデアを他人とシェアしコラボレーションすることが必要なのです(木村)。
〈参考〉3 Reasons Entrepreneurs Should Share Their Ideas with Everyone
http://fi.co/posts/16791