1 資金調達できるベンチャーの5つの要素
シード・アーリーステージのベンチャーが自社の成長を加速させるためには、エンジェル投資家からの資金調達が重要です。ベンチャー企業の資金調達のためのプラットフォームサービス「Angel List」のRavikant氏が分析した、資金調達できるベンチャーの5つの要素を紹介します。
2 スタートアップのポテンシャルとは?―投資家の視点
スタートアップのアーリーステージにおいて起業家が直面するハードルの1つに、資金不足があります。その際、ファウンダーは、資金援助を求めてしばしば投資家に頼ります。しかし、投資家がスタートアップを支援する決め手は何でしょうか?起業家、投資家およびFIバングラデシュのディレクターSajid Rahman氏は、その会社が投資するにふさわしいか否かを判断するための、3つの主な視点を紹介しています。
3 弁護士Blog情報
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1 資金調達できるベンチャーの5つの要素
資金調達額10億ドルを超えるベンチャーのことを、伝説上の珍獣になぞらえて「ユニコーン」と呼ぶことがあります。「ユニコーン」と呼べるベンチャー企業は、以前は滅多に現れませんでしたが、現在ではそう珍しい存在でもなくなってきました。次のユニコーンとなるべく、エンジェルラウンドから資金調達を行う企業も増えてきています。
では、エンジェル投資家から資金調達をできるベンチャーとはどのような会社なのでしょうか。Angel ListのNaval Ravikant氏が、資金調達できるベンチャーの5つの要素を、彼自身の経験をもとに分析しています。
(1)1つのことにズバ抜けろ
会社にどこか1つ並外れたポイントがあることが大切です。投資家はその一点に商機を見出してお金を出してくれるのです。あらゆることをうまくやるより、1つのことにフォーカスしましょう。
(2)成長を生み出せ
ベンチャーは成長がすべてです。成長の指標はビジネスによってそれぞれでしょうが、アクセス数、ユーザー数などが毎月20パーセントの率で成長していることが望ましいです。
(3)特別なチームをつくれ
アーリーステージのベンチャーは開発が必要なので、チームのうち1人が営業・その他は開発という構成が理想です。1人の創業者と残りがアルバイトでは難しいでしょう。ベンチャーが投資を受けるにあたって、どのようなチームであるかは非常に重要です。
(4)1つのプロダクトをつくれ
アーリーステージでは、開発するプロダクトは1つだけに絞りましょう。また現在では、プロダクトの提供を開始するのにかかるコストが少なくなっています。そのためベンチャーがプロダクト提供前に常に資金調達が必要というわけではありませんし、投資家の方もプロダクト提供前の会社に興味をもつことはほとんどありません。
(5)社会的信用を獲得しよう
投資家に直接電話したりメールしたりするのは避けましょう。それよりも、投資家が信頼している第三者に自社を売り込み、第三者経由で投資家に紹介してもらうようにしましょう。うまくいかない場合は、アドバイザーとともに社会的信用を高めるよう努め、ターゲットの投資家にアプローチすべきです。
以上が資金調達できるベンチャーの5つの要素です。みなさんの会社は資金調達の準備はできていましたか? 自社の資金調達へ向けて、ぜひ参考にしてください(木村)。
〈参考〉
Are You Ready for Funding? The Anatomy of a Future Startup Unicorn
http://fi.co/posts/15621
2 スタートアップのポテンシャルとは?―投資家の視点
スタートアップのアーリーステージにおいて起業家が直面するハードルの1つに、資金不足があります。その際、ファウンダーは、資金援助を求めてしばしば投資家に頼ります。しかし、投資家がスタートアップを支援する決め手は何でしょうか?起業家・投資家のSajid Rahman氏は、その会社が投資するにふさわしいか否かを判断するための、3つの主な視点を紹介しています。
視点1 どのような個人的資質を有しているか?
投資家は、会社の成長可能性だけではなく、 各個人の成長可能性もみています。Rahman氏は、ファウンダーの成長可能性を発見する鍵となる属性として2つを詳述しています。
(1)よいコミュニケーション・スキルを持っているか?
Rahman氏によれば、以下のように、自社のゴールを効果的に伝えられることは、成功につながると述べます。
「ファウンダーは、解決しようとしている問題を、わずかなセンテンスでわかりやすく表現できなければなりません。 これは重要なことです。なぜなら、このことは、適切な人を雇う、資金調達を確保する、そして 他のステークホルダーと交渉するときに自らを助けることになるからです。」
(2)どれだけの忍耐力を持っているか?
Rahman氏は、以下のように、混乱にも対処できる能力が、最も有利な特徴の1つであると述べます。
「ファウンダーが会社を設立しようとしているとき、 彼らは多くの波乱をくぐり抜けなければならないでしょう。したがって、胆力は最も重要なスキルです。」
視点2 どのくらいリサーチ・開拓を完了しているか?
投資家は、財政的支援をする前に、成功した場合の利益を知りたいと思っています。ターゲット市場についてのリサーチをすれば、投資家による投資に対する報酬・リスク計算ができることになります。
顧客及び金銭的価値の観点からみて、製品・サービスの市場はどれくらい大きいでしょうか?より大きな市場は、より高い投資リターンを意味することとなります。
Rarman氏は以下のように述べます。
「あなたが10億ドルの企業を設立したい場合、10億人の問題を解決しようとしてください。フェイスブックやグーグルのように、今日における大手企業をみてみると、すべて特定の地の1つの問題を解決しようとはしておらず、問題をグローバルに解決しています。」
視点3 現在は主要ではないが成長が見込まれるセクターに関心を持っているか?
もし自社が成長市場にある場合、投資家は、投資額より高い収益予測をするようです。
Rahman氏 は、成長途上で今後繁栄すると予想されるいくつかの分野を挙げています。
- マーケットプレイス
- 健康・医療分野
- ソフトウェア・サービス
- 教育
- 金融技術
起業家に向けたRahman氏のアドバイスは、究極的には「スタートアップ時代」の活用をすべしということですが、これらがあなたの"旅のお供"になるのは確かです。もし準備不足であれば、成功までに荒く凸凹した道を進むことになるでしょう。
Rahman氏はいいます。
「歴史上、テクノロジー企業の設立においてこれほどまでよかった時はありません。市場が異常なペースで成長する間に、コストは著しく低くなっています。だから、このユニークな可能性を利用するべきです。
ただ1つ注意点があります。市場は非常に残酷です。もし製品・サービスがよくないなら、チームが強くないなら、あるいはファウンダーが全力を出さないなら、起業すべきではありません。
起業家としてではなくとも、大規模な組織の中で、50%の力を注いで、かつ数年間会社を存続させる多くの方法があります。あなたが真剣か否か、自らに問いかけてみてください。あなたが長期的な視点を持っていないのであれば、 他の者の(あるいは自己の)時間を浪費すべきではありません。」
投資家が投資したくなる企業とは、すなわち成功する企業です。以上の言葉を、自社の成功への視点として、チェックしてみてはいかがでしょうか(柳田)。
〈参考〉
Does Your Startup Have Potential?: An Investor's POV
http://fi.co/posts/16511