5月24日の金曜日、「ミャンマーファミリークリニックと菜園の会(MFCG)」で、代表の名知仁子さんのお話を聞きました。
http://myanmar-clinic.jimdo.com/
名知さんは、この活動のビークルをどうするかを検討する際に、相談にみえて以来のお付き合い。
私の1つ年下のお医者さんです。
もともとは日本医科大学で内科医をされていましたが、2002年に国境なき医師団に参加し、タイ、ミャ
ンマー、ヨルダンなどで国際援助活動を続けてこられました。
2008年から、自分自身が主催する形でミャンマーでの援助活動を開始。
名知さんは、国境なき医師団では、貧しい地域での医療行為のノウハウを積んできました。
例えば、そのような地域では、処方された薬を飲まない人が多い、=そもそも薬が普及していないので、定期的に薬を飲む習慣がないため、薬を目の前で飲んでもらったり、薬の入れ物にお日様や月のイラストを書いて服用時期が分かるように工夫するようになったそうです。
しかし、ミャンマーの田舎は、とても貧しい(1日の所得が200円位)ため衛生状態と栄養状態が悪い。
このため、例えば、子供は下痢になっただけで死んでしまうそうです。
日本では子供が、下痢になって死んでしまうことはかなりまれです。
5歳になるまでに1000人中どのくらい死んでしまうかを調べる「5歳未満児童死亡率」という統
計があります。
ミャンマーでは、1000人生まれたうち、105人が5歳までに死んでしまいます。
ちなにみ、日本は4人です。
http://www.unicef.or.jp/library/pdf/haku07_9.pdf
これまで名知さんは、現地で活動するNGOなどに参加して医療行為を行っています。
栄養失調で衰弱して担ぎこまれてきた子供に点滴を打ったり、栄養補給をして元気になっても、しばらくする
と再び栄養失調で搬送されてくる、こういう繰り返しをする過程で、名知さんは、医療活動だけでは
、「ざるで水を組むようなもの」で、亡くなる人の数を減らすことができないことに気付いたそうです。
死亡原因の多くを占める下痢などは、衛生状態と栄養状態を改善することで改善できます。
そこで、名知さんは、医療行為は続けながら、衛生状態を改善するために手洗いなのど衛生指導活動
と、栄養状態を改善するために菜園を作ることを企画しました。
プレゼンテーションでは、トイレや井戸を作ると衛生状態が改善して子供の死亡率が激減したこと、しかし、そのような施設を作っても、メンテナンスの方法などを周知してこなければ、すぐに使われなくなることなどもわかりました。
保険制度どころか義務教育もない国、初歩的なインフラがないことによって小さな子供が何万人も亡くなり続けているというのは、子供を持つ身としては改めてショックでした。コンクリの袋担いで行って、トイレ作るくらいならオレでもできそうだなとも思いました。
六本木ミッドタウンでの講演会が午後9時に終了し、外のテラスで夕飯代わりのビールを飲んでいると、今まで講演で見聞きしていた映像とミッドタウンとのギャップに、罪悪感の入り混じった戸惑いを感じます。
とりあえず、クレア法律事務所は、MFCGの法人賛助会員になって会費を払うことにしました。
日本でも、長引く不景気の影響で、母子家庭を中心に貧困問題が深刻になり、栄養不良の子供が増加しています。
対外支援より国内が先というのも正論です。
しかし、下痢で子供が死んでしまうのではあまりに可哀想、MFCGにカンパするのであれば名知さんが現地での活動にちゃんと使ってくれる、カンパで何人もの"命"を助けることができるのは意義があると思いました。
名知さんによれば、ミャンマーに行くなら、乾季になる10月以降にするべきだそうです。
雨季の間は、名知さん達は、木造船で何時間もかけて移動診療しているそうです。
こういうことを知るようになったのも何かの縁、冒険も大好きなので、乾季になったら行ってみたいと思っています。