22日に東京弁護士会の E-Discovery に関するセミナーに出席しました。
国境を超える E-Discovery Eディスカバリー
http://www.toben.or.jp/know/iinkai/kokusai/news/0322Seminar.html
E-Discovery は、米国の民事訴訟の手続で、これを実施するためには巨額の費用負担が生じることがあり、新たな訴訟リスクとして注目されています。
米国の裁判では、旧来の訴訟追行のやり方=トライアル(陪審手続)で不意打ち的に証拠が出されて混乱することに対する反省から、プレ・トライアル手続で争点整理と証拠の提出を行うように制度設計が変更されています。
プレトライアルでは、証言録取、質問書、とともに文書提出要請が行われ、訴訟が開始したら、当事者は訴訟に関連しそうな書類などは現状のままで保全しておかなければならないとされています。
ITの進展によって、業務上作成するデジタルデータは膨大な数となり、それがCCで配布され、かつ、そのバックアップが作成されるといったことになり、勢い証拠として要請される範囲および分量も大量となります。
米国では2006年からEメールを始めとするデジタルデータがディスカバリーの対象とされ、デジタルデータの信用性の保全と膨大なデジタルデータの中から必要な資料を探し出すために、デジタル・フォレンジック技術を持つディスカバリー専門業者が登場しました。
これらの専門業者の費用は作業量の多さから高額化し、KPMGが未払い残業代を請求された保全手続きでは、「1億ドル!!」と言われ、ある程度の事件ならば、1,000万ドルは下らないとされています。
企業のとりうる対策は、開示請求を受けたときに、開示範囲を限定できるように工夫された文書管理規定の作成と、その運用の徹底です。
そうすることによって、開示文書を減らすことができ、費用の節約につながります。
日本企業は、日本語の文書は翻訳しなければならないので、対象文書の限定の持つ費用的なインパクトはかなり大きいと思います。
ちなみに、
米国には、ディスカバリー専門業者が既に500社あるそうです。
これに対して、日本には今のところ、2社しかないと聞きました。
日本の民事訴訟においても、文書提出命令は除外事由がない限り請求することができるという意味で、訴訟関係者にとっては、一般的な義務になっています。
但し、対象となる文書の範囲は、米国のようには広範囲でありませんが。
よって、日本でディスカバリー業務を行うベンチャー企業ができれば、今後の流れに乗って成長できるのではないかと思います。
誰かやる人いませんか? お手伝いしたいと思います。
いつやるか? 今でしょう!