新しい家事事件手続について

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今日は、当事務所の星野弁護士から、平成25年1月から施行される新しい家事事件手続についての説明がありました。手続がかなり変わるので、リポートします。

星野弁護士は、昭和44年から約40年間裁判官をされ、特に家事事件に関する造詣が深く、ロースクールの教授を勤めつつ、調停などに関する裁判所の仕事をされています。

 

調停制度は、借地借家の当事者や、親族等について、法律一辺倒ではなく、事案に即した紛争解決を調整しようという趣旨で設けられたもので、これまで家事事件の調停は、口頭で申し立てることもできる建前になっており、書面で裁判所に申し立てをしてもそれが相手方に送られることはなく、非公開で、証拠調べもなく、調停案や審判も理由を付さないで示されるものでした。

 

しかし、国民の権利意識の高まりによって、手続の透明性などが重視されるようになったことから、ある程裁判に類する手続に近づけることになりました。

 

新しい調停手続きでは申立書も書面で提出しなければなりませんし、それに対する答弁書も書面で提出しなければなりません。申立書に記載しなければならない事項も決まっており、要件を満たさないと、申立が却下されることもあります。


また、裁判における証拠説明書のような、資料説明書という証拠資料を提出するに際してそれを説明する書類を作成することになりました。また、調停において、事実の調査及び証拠調べをすることができるようになりました。

 

証拠資料は、相手方には非開示にすることもできますが、非開示にされた資料は、裁判所はそれを証拠としてそれを前提とした判断をすることができなくなりました。新しい家事調停では、「ここだけの話」として、当事者と調停委員が話した内容によって、調停委員が心証を形成することはできません。

 

調停期日における手続についても、調停手続きの説明だけでなく、各期日における冒頭と最後に両当事者が同席して裁判所からの説明を受けることになりました。これまでは、手続のほとんどの経過において、当事者が希望すれば、相手方とは同席しないで済んだので、これは当事者からすると多少気が重いかもしれません。

 

新しい家事調停手続が、早く国民の間に根付き、多数の紛争が早期に円満に解決されることを期待したいし、実務家として微力ながら役に立てればと思います。

 

 

 

 

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TAGS:家事事件 人事訴訟 調停 離婚

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古田利雄

主にベンチャー企業支援を中心に活動しています。上場ベンチャー企業、トランザクション、NGC、Canbas等の役員もしています。

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