先週末考えたこと 食糧自給率は大丈夫か?
今後の外食産業のことを考えていたら、「そもそも食糧自給率大丈夫なのか?」という疑問がわいてきた。
農家の高齢化、新規就農者と作付け面積の減少によって、食糧自給率は右肩下がり。
1965年にはカロリーベースで73%あったものが、2010年には4割を切り「39%」となっている。
農水省の出している折れ線グラフを見るとかなり怖い!
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/pdf/22slide.pdf
地球の砂漠化によって世界の農地面積も2000年減少傾向にあるという(国連食糧農業機構)。
1960年に30億人だった世界の人口は、2011年に70億人を突破した。
http://arkot.com/jinkou/index.htm#suii
(ちなみに、日本は、1960年には、世界人口30億人のうち、識字率をとってもダントツの知的レベルを誇る1億人だったから、世界における影響力は大きかったのは当然だ。人口が倍以上に増えて、新興国の人たちの知的レベルが上がることによって、コンペティターとしての日本のプレゼンスがグローバルで低下してくるのもある意味しかたないこと。)
世界人口の増加と新興国の躍進は、新興国における食事の向上をもたらし、肉食を増加させる。
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肉食が増加すると、家畜の飼料としての穀物の消費が増える。
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人口増加の正比例を超えて穀物の需要が増大する。
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穀物需要がひっ迫する。
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食糧価格が高騰する。
という流れに、
消去法で高止まりしている円が、内的要因ないし外的要因で大幅な円安に振れる。
が重なると、日本における食糧価格は何倍にも跳ね上がる =食い物が買えなくなる 可能性がある。
「2015年の食糧危機」(東洋経済新聞社・June2012・斉藤利男)によると、
米国農務長官は、「世界を支配する近道は、世界の人々の胃袋を支配することである。」と名言し、米国は1973年以降減反政策を転換し、多額の補助金を出して農業の強化を行い、世界の穀物市場において圧倒的なシェアを占めた ということだ。
この本の筆者は、ファンドマネージャやアナリストをされている人なので、コモディティファンドに投資を誘導することに利害関係があると思うが、世界人口の増加と国内自給率の右肩下がりの現実は日本の将来に暗い影を落としていることは間違いない。
ボブマーレーのレゲエのフレーズに、「 Hungry mob is angry mob 腹減ってるやつは怒っている奴だ 」っていうのがあるけど、ちゃんと食事できなくなったら不安定で暴力的な世の中になってしまう。子供たちの世代のために、このテーマはとても基本的だ。
SNSが浸透した情報の相互影響増大社会ともいうべき社会では、おもしろかったり、かなしかったり、これは真面目に少し考えないとと という情報がどんどんプッシュされてくるから、根本的なことに継続的に取り組むのが難しくなってくる傾向もあるように思う。
国内の農業政策、円や貿易のルールのコントロール、途上国へのODAなどいろいろやるべきことがあり、それを議論しないといけないでしょうね。
先週末は、鮎を食べに魚沼に行ってきた。美しい緑の水田を見ていたら、「食糧自給率 大丈夫か?」感が胸に迫りました。