昨日の基調講演のダイジェスト

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昨日(3月5日)に、インデペンデンツクラブ(新丸ビル10階東京21世紀クラブ)で話させていただいた内容を簡単に紹介します。

まず、昼に、事務局から67名参加予定なので、レジュメを70用意してほしいといわれ、「オー、ベンチャー関係者元気だなー」と思いました。

テーマは、「最近のベンチャーファイナンス事例」ですが、自分が役員をやっているナノキャリア株式会社(4571・東証マザース)が1月26日に開示した、転換社債2本と新株予約権の発行を紹介しました。

このファイナンスは、調達金額が37億円と大きく、仮に全部転換行使されると、既存株主の持分の希薄化が35%であり、かつ、前日の株価が33,000円であるところ、転換価格を28,000円、予約権の行使価格を30,000円とする大規模なもので、しかも有利発行でないという位置付でおこなったものです。

ファイナンスは、既存株主の権利と会社の資金調達ニーズを天秤にかけて設計されるものですが、借入、第三者割当増資、株主割り当て、社債、転換社債、新株予約権、更にはライツオファーなど多様な選択肢があります。

同社の開示資料には、本件スキームを会社が合理的なものであるとして考えた理由が丁寧に述べられているので、これらを紹介させていただきました。

併せて、金商法の改正によって制度整備されたライツオファリングについても、基本的な手続の流れと、利用する場合の利点をコメントしました。

ライツオファリングは、取得条項付の新株予約権を株主割り当てするものです。新株予約権は市場で換価したり、不行使のときは発行会社が取得ようにすることによって、権利行使しない既存株主の経済的な損失を回避し、会社が取得条項に基づいて取得した新株予約権を証券会社が買い取り、かつ権利行使することをコミットすることで予定した資金調達金額を確保するものです。

http://www.fsa.go.jp/news/23/syouken/20120210-2/01_a.pdf

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古田利雄

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古田利雄

主にベンチャー企業支援を中心に活動しています。上場ベンチャー企業、トランザクション、NGC、Canbas等の役員もしています。

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