今回3回目の参加になるが、プーケットで行われたレース・ウイーク 7月21-25日に EMMA (MUMM36) で参加した。
レースコミッティーが設置されるエバソン・シックスセンス・リゾートの前には、美しい海が広がる。
レースは、レガッタサイトの写真のとおり、全体として楽しく進行した。
しかし、レース4日目だけは、 レース・リポートでも「All hell breaks loose on the final day...」と書いているとおり、暴力的な風が吹いた。
この日の朝は、我々IRC2クラスのスカンディアが走錨し、座礁したという暗いニュースから始まった。
アンカリングは、錨が流れる、ラインが切れるなど様々なリスクを伴う。アンカリングの恐怖を知らず、重いアンカーや長いチェーンを嫌がる人が多い。
EMMAでは、20Kgのアンカーと、10メートルのチェーンを使っていて、引き上げるときはハリアードのアシストを使っているほどだ。
9時に舫を解いたときは、「これから雨と風が来そうだな。」と予想していたが、10時のスタート前には、西から真っ白な視界不良域が広がってきた。ベアポールで、強風に準備し、島よりに寄せたが、EMMAの風速計は真風速35ノットを表示した。
このとき既に、デスマストしているヨットもあった。
レースは中止されるかとも思ったが、大きな雨雲が行き過ぎ、レースコミッティは30分ほどAPの後、島とブイを回るコース16を指定した。コース16は、沖から湾内に向かい、湾内のブイを4レグして沖に戻るレグ。
しかし、スタート時には、西から空が真っ黒になり、再び強烈なブローが予測できた。
と思うやいなや、視界を奪う叩き付けるような大粒の雨のエリアの固まりが迫ってきた。
雨に飲み込まれ、顔面が痛い。
何年か前のキングスカップでもあったが、突然、突風に見舞われることがある。
このレースが終わったときは、メインセールの上部は、フィルムが広範囲にわたって剥離してしまい、セールメーカーの野崎さんから修理不能と言われ廃棄せざるをえなかった。
海は愛しい。危険があれば、その分だけエキサイトできるし、感動もある。
ハインリッヒの法則ではないが、人間は、ヒヤリ・ハッとになれてしまうこともある。
実際、ぼくらはぶっ倒れてゲージが開いていく下艇を見て盛り上がっていた。
後から全体の状況を見て、改めて、海の上では、万全の警戒心と集中力を維持するべきだと思った。
ps 何人かの怪我した人に 早く治ることを祈る。