10月7日(火)の夜、「裁判外事業再生手続」 東京3弁護士会シンポを聞きに行った。私的整理ガイドライン、中小企業再生支援協議会、特定調停などの運用や問題点の検討がテーマのシンポである。
米国発の金融危機で倒産件数が増加傾向にあるなかで、企業ブランドの毀損が大きい民事再生のような「法的再生」ではなく、裁判外の手続の活用が求められており、本シンポもなかなかの盛況だった。
裁判外の再生手続は、リストラと金融債権のカットをセットにして進めていくものであるが、法的手続と違って、債権カットに応じる債権者全員の同意が必要で、このような限界はある。
理屈の問題でいうと、特定調停法の立法過程でも、調停への債権者の異議申立に合理的な制限を設けるべきではないかという議論がなされたが、調停で一方的に財産権を取り上げるのは憲法の財産権保障に反するという理解が一般的である。
しかし、多数の債権者の同意を取り付けることができれば、調停が成立しなければ、法的手続を申し立てると説明することにって、反対債権者からも消極的な同意を取り付けることはできる。
実務的な情報としては、中小企業再生支援協議会では、金融機関と事前に調整したうえで、会社分割を行って新会社に事業を承継させた後、分割会社の特別清算手続を行って債務放棄を求める第2会社方式が再生手法として一般的になっていることや、特定調停を本来管轄のない地裁(本来は簡裁)に直接申し立てるやりかたなどの説明が興味深かった。
早速実践していきたい。 古田