非有利発行新株予約権をストックオプションとして使う

会社法

しばらく前から非有利発行新株予約権をストックオプションとして使えないかということを検討している。
宍戸先生(成蹊大教授)主催の勉強会で発表したり、ベンチャーサポート研究会で検討してきた。

というのも、ベンチャー企業の大口株主(親族合わせて1/3以上の持分を持つファウンダー)や、技術供与した役員でない大學教授、監査役、などは「税制適格」として課税上有利なストックオプションを使えない。そして、税制適格でないストックオプションは、50%くらい税金を取られるのでもらってもあまり意味がない。
これに対して、非有利発行の新株予約権(付与されるときに対価を払う)であれば、税制適格のような要件は不要なうえ、税制適格と課税関係が同じになるからだ。

このとき、予約権(オプション)の価格が高いと意味がないので、オプションの価格が安くなるように設計する必要がある。

オプション価格はブラックショールズモデル等で算定するので、算定基礎のうち任意に設定できる、権利行使価格と期間を調整することになるが、さらに、権利行使できるための条件を付けて価値を下げる方法や、ノックアップやノックダウンという条項を付ける方法がある。

中央三井信託銀行さんからこれに関するセミナーの案内を頂いたので聞きにいった。スピーカーはプルータスコンサルティングの野口さんで、上場できないときは失効するといったような要件を付けて、オプション価格を権利行使価格の1%や2%に設定した例もあるという。
これまでわりと保守的に価格算定してきたので、当事務所でもトライしてみたいと思う。

(古田)

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古田利雄

主にベンチャー企業支援を中心に活動しています。上場ベンチャー企業、トランザクション、NGC、Canbas等の役員もしています。

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