新型コロナウイルスの影響で相次ぐ結婚式の自粛。キャンセル料や延期料金は支払わなくてはならないのか。
新型コロナウイルスの影響が日に日に深刻化するなかで、結婚式の自粛を余儀なくされる新郎新婦の方々が急増しています。 このような状況に立たされた新郎新婦の方々にとって、大きな悩みの種の一つとなるのが、キャンセル料金又は延期料金(以下「キャンセル等料金」といいます。)です。式場から支払いを求められた場合、...
新型コロナウイルスの影響が日に日に深刻化するなかで、結婚式の自粛を余儀なくされる新郎新婦の方々が急増しています。 このような状況に立たされた新郎新婦の方々にとって、大きな悩みの種の一つとなるのが、キャンセル料金又は延期料金(以下「キャンセル等料金」といいます。)です。式場から支払いを求められた場合、...
1 まとめ 第1回から第4回をまとめると次のとおりです。 (1)パブリシティ権とは 「商品の販売等を促進する顧客吸引力を排他的に利用する権利」であり、人格的利益を保護するいわゆる肖像権とは異なり、財産的利益を保護するための権利である。 (2)パブリシティ権の侵害基準 パブリシティ権が侵...
1 基本原則 パブリシティ権が認められる客体は「肖像等」であることは以前説明しました。そして繰り返しにはなりますが、「肖像等」とは、本人の人物識別情報をいいます。例えば、顔はもちろんのこと、サイン、署名、声、ペンネーム、芸名等を含むものです。では、「肖像等」の「等」とは、例として挙げたもの他に何が...
1 基本原則 今回は、いったい誰がパブリシティ権を主張することができるのかについて説明していこうと思います。 肖像等は、個人の人格の象徴でありますから、本判決のいうパブリシティ権はあくまで自然人に帰属するのものです。したがって、パブリシティ権は、肖像等に顧客吸引力を有する自然人に認められます。では...
1 侵害基準 (1)本判決が示す侵害基準 前回はパブリシティ権の法的性質を主に紹介しましたが、今回は、どのような場合にパブリシティ権の侵害となるのかについて説明していこうと思います。パブリシティ権の侵害基準については、本判決が以下の通り判示しています。 「他方、肖像等に顧客吸引力を有する者は、社...
1 定義 パブリシティ権とはいかなる権利なのか、まずはその定義を紹介します。 パブリシティ権は、日本においてその権利に関する明文の規定はありません。しかし以前から、多数の下級審裁判例で認められてきました。そして、平成24年になって、初めて最高裁がパブリシティ権とは何かということに言及し、パブリシテ...
第0回 本稿の前に 1 はじめに 皆さんが何か商品を購入しようと思ったとき、複数ある同様の商品の中から何を基準に選ぶでしょうか。値段、質、見た目・・・様々な基準が個々それぞれにあるでしょう。しかし様々な基準の中でも、例えば「あの芸能人の写真がデザインされているカレンダーだから買ってみよう」とか、...