一時払い終身保険による被害について

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銀行が販売している一時払い終身保険をめぐるトラブル(被害・損害)が急増しています。

一時払い終身保険とは,契約時に保険料全額を支払えば,経過年数に応じて死亡保険金や解約返戻金が増額していく保険商品で,一時払い定額終身保険や一時払い外貨建て終身保険などの様々な種類があります。元本保証の商品ではありません。販売しているのが銀行でも,実際には保険会社が提供する保険商品です。

 

以前のブログでも書かせていただいているのですが,

とにかく,銀行が販売している商品ということで安全だと勘違いしがち,ということです。銀行に対する社会的信用は非常に高く,銀行員の言うことを鵜呑みにしてしまう方が本当に多いことをよく実感します。

 

一時払い終身保険は,銀行の営業マンが,預金からの乗り換えを勧めることが多く,その際には,「定期預金よりも利回りがいい」,「元本保証」などという言葉で高齢者や金融商品に詳しくない顧客を勧誘したりしています。その際に,リスク説明など皆無に等しいのです。

利点ばかりを説明することや元本保証でもないのに元本保証などと説明することは違法ですから,このような説明を受けたという方は是非国民生活センターや弁護士等にご相談ください。

 

経過年数によっては解約返戻金が払い込んだ保険料よりも増えるのですが,長いものでは8年くらい経過しないと解約返戻金が払い込んだ保険料を上回らないようです。

 

預金であれば,例えば,100万円預ければ,翌日100万円引き出すことも可能ですが,一時払い終身保険の場合には,ある程度の年数を経過しないと,100万円の保険料を払い込んだとしても,保険の中途解約時に受け取れる解約返戻金が100万円以下になってしまうのです。これだけでも預金と一時払い終身保険が違うことがお分かりいただけるかと思います。

保険も解約して死亡保障もないのですから,これでは何のメリットもありません(ただ損をしただけです。)。それにもかかわらず,銀行員は,預金と同じくらい安全に貯蓄できて,預金より高利回りの商品として,しつこく勧誘したりするのです。

 

実際の相談例でも,あまり詳しくない高齢者を銀行員が騙しているとしか思えないような事例が散見されます

 

 

相続税対策として利用できることは間違いないですが,これは一時払い終身保険に限った話ではありませんので,よくよく検討した上で,購入されるべきです。

 

一時払い終身保険はクーリングオフができるものがほとんどですので,契約申込日を入れて8日以内であれば,契約に不安があるときには,契約先保険会社に対してクーリングオフを申し出ることをお勧めします。

ただ,被害に気づいたときには,この8日間を過ぎていることがほとんどでしょうから,弁護士などに相談するなどして,金融ADR(損害賠償請求)含めた対応を検討することが必要です。

 

2012年4月20日

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