これから会社を作る場合、株式会社又は合同会社を選択するケースが圧倒的に多いと予想されます。そこで、今回は、株式会社と合同会社の相違点を整理します。
業務執行
株式会社の場合、機関の設置が必要です。最低でも、株主総会と取締役の設置が必要になります。そして、株主総会で選任された取締役が業務執行を行います(所有と経営の分離)。
合同会社の場合、原則として社員自らが業務執行を行うので、機関を設置する必要はなく、定款でかなり自由に業務執行形態を設計することができます(所有と経営の一致)。このため、株式会社と比較して、迅速な意思決定が可能です。
損益の分配
株式会社の場合、損益の分配は、出資額(持株数)に比例して行われます。
合同会社の場合、損益の分配は、出資額とは無関係に自由に行うことができます。
コスト
株式会社の場合、合同会社と比較して、コスト面で割高になります。例えば、設立登記費用は、株式会社が最低15万円、合同会社が最低6万円です。また、株式会社では、役員に任期があるため、原則として、取締役は2年に1回、監査役は4年に1回、役員の選任手続を経なければならないとともに、変更登記が必要となります。
社員の責任
株式会社も合同会社も、社員は有限責任を負うという点では共通しています。
対外的な知名度・信用度
対外的な知名度・信用度の面では、株式会社のほうが高いといえます。
しかし、法務局の統計データでは、会社法が施行された平成18年5月以降、平成23年6月末までの間に32,149社の合同会社が設立されていて、今後、設立数の増加に伴って合同会社の知名度・信用度の向上も期待できます。