暴力団排除条例について(不動産賃貸・売買・仲介)

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10月1日から東京都暴力団排除条例が施行されます。

先日,行いました不動産実務の私的勉強会では,この条例に対する対応が議題となり,やはり各社ともにきちんと対応マニュアルを作成している様子でした(もっとも,東京都で施行される以前にも他の道府県で同様の条例が施行されている関係で,今年6月の時点で対応マニュアルは作成されているという状況です。)。

不動産業界で言えば,不動産流通4団体が上記条例に沿った形でのモデル条項例を作成していますので,契約書作成等の際にはそちらを確認していただければと思います。

http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo16_hh_000056.html   (国交省報道発表資料より)

当該条例が不動産の譲渡等について特に規定(当該条例19条・20条)を定めた趣旨としては,一旦暴力団事務所が開設されてしまうと,それを排除するためには住民運動や訴訟等で多大な時間と労力を費やすことになるので,そもそも不動産が暴力団の手に渡る前にこれを阻止する点などにあると思われます(大田晃央・近藤和人「東京都暴力団排除条例逐条解説(上)」警察学論集第64巻第5号75頁以下参照)。

その勉強会で協議して思ったことなのですが,やはり大事なことは,契約書に反社会的勢力排除条項をきちんと記載することや予め対応マニュアルを作成しておき,それを適切に実施していくことにあるんだろうと思いました。コンプライアンスの観点から社内的に統一された適切な対策を行っているかいないかが非常に重要なのです。

なお,当該条例のうち,特に不動産について定めた規定は以下のとおりです。

当該条例19条(不動産の譲渡等における措置)

1 都内に所在する不動産(以下「不動産」という。)の譲渡又は貸付け(地上権の設定を含む。以下「譲渡等」という。)をする者は、当該譲渡等に係る契約を締結するに当たり、当該契約の相手方に対し、当該不動産を暴力団事務所の用に供するものでないことを確認するよう努めるものとする。

2 不動産の譲渡等をする者は、当該譲渡等に係る契約を書面により締結する場合には、次に掲げる内容の特約を契約書その他の書面に定めるよう努めるものとする。
① 当該不動産を暴力団事務所の用に供し、又は第三者をして暴力団事務所の用に供させてはならないこと。
② 当該不動産が暴力団事務所の用に供されていることが判明した場合には、当該不動産の譲渡等をした者は、催告することなく当該不動産の譲渡等に係る契約を解除し、又は当該不動産の買い戻しをすることができること。

当該条例20条(不動産の譲渡等の代理又は媒介における措置)

1 不動産の譲渡等の代理又は媒介をする者は、自己が譲渡等の代理又は媒介をする不動産が暴力団事務所の用に供されることとなることの情を知って、当該不動産の譲渡等に係る代理又は媒介をしないよう努めるものとする。

2 不動産の譲渡等の代理又は媒介をする者は、当該譲渡等をする者に対し、前条の規定の遵守に関し助言その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2011年9月21日

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