クレア法律事務所では、1月14日に講演「印度とビジネスをしよう」を開催しました。
今回は、アントレプレナーのグローバルなネットワーク「TiE」の東京支部の役員であるSanjeev Sinha氏、ET VenturesのSoma Sundaram(相馬 すんだらん)氏を講師に迎え、日本の企業によるインドとのビジネス展開のポイントについて、古田弁護士とのトークセッションがおこわなれました。
<インドの現状>
今のインドは日本と正反対の部分が多いと思います。日本の場合、細かく下調べをして、計画を立ててから、意思決定をすればスムーズにいきます。しかし、インドの場合、情報収集自体ままなりません。また、インドで情報を収集しても、動きの激しい社会であるため、計画を立てるのも難しいのです。インドでは、チャンスと見れば、慎重な調査することなく、そこに飛び込んで、そのつど対応しているのです。
もちろん、予測の立てられない相手とビジネスはしたくないとの意見もありますが、形が見えていないインドビジネスにこそチャンスがあるのです。今のインドでは、12億の人口が教育を受けることによって、そこから草の根の経済活動が生まれています。消費者市場の拡張などマクロ的に見れば大きなチャンスがあるのです。
<日本企業が付加価値を持てる分野>
これから日本企業が付加価値を持てる分野としては、工業や小売業が注目できます。それ以外の分野では、自動車・航空関係も注目されています。インドの法律上、航空機の製造には国内部品を一定割合使わなければいけない等の規制があるので、インドで航空機をどんどん生産しようとするならば、当然のことながら、部品を供給する会社は増えます。そうすると、おのずとビジネスが大きくなります。
また、インドでのエネルギー消費が増加していくことを考えれば、太陽光発電などの環境技術に配慮した分野は、日本にとって大きなチャンスになります。
<ベンチャーにとってのインドビジネス>
ベンチャーにとって、インドビジネスのチャンスはどうでしょうか。
インドでは自分自身の目で見ることが大切ですが、日本人の感覚で見ると失敗します。これは大会社でも同じです。しかし、このことを理解しているベンチャーならチャンスがあると思います。
<インドビジネスのコツ>
日本とインドとの間に2人入れるイメージ、つまり、日本側に日本のことを分かっている人間を、インド側にそれ以外で働いた経験のある人間を入れるのがいいと思います。
また、信頼できる人を探す必要がありますが、中々難しいところがあります。インドに外国人が来ると、どんどん近寄ってきます。インド人はチャンスと見ると飛び込んでくるのです。ですが、人物の見極めが難しいので、慎重に考えなければいけません。できれば、独立性がある人を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、インドの大手企業やIT系の中所企業ではカースト制度は関係ありません。
【佐藤亮】